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「松橋事件」国賠訴訟 警察の捜査の違法性も認定 福岡高裁

(更新)
裁判

41年前、熊本県で男性が殺害された、いわゆる「松橋事件」で服役後に再審=やり直しの裁判で無罪が確定した男性の遺族が国と県に賠償を求めていた裁判で、福岡高等裁判所は警察の捜査と検察の対応の違法性をいずれも認め、国と県に2300万円余りの賠償を命じました。

1985年、当時の熊本県松橋町、今の宇城市の住宅で男性が殺害された「松橋事件」では、当時51歳だった宮田浩喜さんが殺人などの罪に問われ、懲役13年の判決を受けて服役しましたが、その後のやり直しの裁判で7年前に無罪が確定しました。

翌年、うその自白をさせられたうえ、自白と矛盾する証拠を検察が明らかにしなかったなどとして、国と熊本県に賠償を求める訴えを起こし、1審の熊本地方裁判所は、去年3月、検察の対応の違法性を認めて、国に賠償を命じた一方、警察の捜査に対する県への訴えは退けたため、原告と国が控訴していました。

27日の2審の判決で、福岡高等裁判所の岡田健裁判長は「有罪の証拠となったのは、実質的に捜査段階の自白だけで、最初の自白は、逮捕前の警察の取り調べで得られた」と指摘しました。

そのうえで「逮捕前の取り調べは、合わせて9日にわたって長時間行われ、有力な証拠が乏しい中で、予断に基づき、もっぱら自白させることを目的に行われたと認められ、任意捜査の限度を超える」として、警察の捜査が違法だったとする判断を示しました。

また、検察の対応については「起訴したあとに押収された証拠は、自白と明らかに矛盾し、それが裁判で明らかにされていれば有罪判決が出ることはなかった。証拠をいわば握りつぶした形で失望を禁じ得ず、強く非難せざるをえない」として、国と県に対して2300万円余りの賠償を命じました。

宮田さんは6年前に87歳で亡くなり、遺族が裁判を受け継いでいました。

熊本県警 首席監察官 「判決内容 精査し今後の対応を検討」

判決について熊本県警の渋谷明紀 首席監察官は「判決内容を精査し、今後の対応を検討してまいります」とコメントしています。

熊本地検 次席検事 「関係機関や上級庁と協議」

判決を受けて熊本地方検察庁の加藤和宏 次席検事は「判決の内容を精査し、関係機関や上級庁と協議の上で適切に対応する」とコメントしています。

原告弁護団 “はっきりと断罪 完全な勝利”

判決について原告の弁護団の共同代表を務める齊藤誠弁護士は「任意の取り調べが強引であったことをはっきりと断罪していて、われわれの主張の完全な勝利といえる」と述べました。

そのうえで「任意の取り調べをはっきり違法だと認めたものは、高裁判決では初めてではないかと思う。問題点を明らかにした判決としては、一石を投じるものになっただろう」と話していました。

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