トッププレイヤーはどう読み合いを組み立てるのか|ブラズさんとパンクさんから学ぶ「相手の反応を引き出して情報を取る立ち回り」
相手の反応を引き出して情報を取る立ち回り
ブラズさん(リュウ)vs パンクさん(キャミィ)の対戦を題材に、**「相手の反応を引き出して情報を取り、その情報をもとに試合を組み立てる方法」**について考えていきます。
この組み合わせは、リュウ側が恐らく弾だけで主導権を握るのは難しいマッチアップだと個人的には考えています。
そして、攻めを強く意識しすぎて前へ出続けるのも余り有効とは言えないかもしれないです。例えば、キャミィの下がりを崩そうとして中足を頻繁に振ると、リーチの長い通常技やストライクでうまく対応されやすくなります。
そのためリュウ側は、やや待ち気味に立ち回りながら、キャミィの中足やストライクを対処し、高い火力を押し付ける展開を狙う組み合わせだと見ています。
実際にブラズさんの立ち回りを見ていても、基本は少し待ち気味の姿勢を保ち、良いタイミングを見極めながら対応しているように見えます。
待ち気味で立ち回るためラインは少しずつ下がりがちになりますが、その代わりに
キャミィの中足や立大Kの空振りへ大足で差し返してパニカンを取る
波動拳を良いタイミングで撃って相手を押し返す
ラッシュを通してラインを回復する
打撃をガードさせて距離を押し戻す
といった選択肢をうまく散らしながら、ラインを回復してやりくりしているように見えます。
とはいえ、パンクさん相手に地上戦で渡り合うこと自体が非常に難しいように見えます。それにもかかわらず、ブラズさんが試合を優位に進める場面も数多く見ることができます。
今回は、その秘訣について考えてみます。
パンクさんの反応の良さを利用して情報を取る
パンクさんは地上戦が非常に上手く、硬直の大きい空振りを見せると非常に高い確率で差し返してきます。
パンクさんの差し返しは、大きく分けると次の2種類があるように感じます。
①技の空振りを見分けて差し返している場合
②相手が動いたことに反応して差し返している場合
① 技の空振りを見分けて差し返す
例えば、打ち返しの間合いを誤って立中Kが相手の手前で空振りしたような場面です。
このような**「読みやすく、差し返しやすい空振り」**には、非常に高い精度で差し返してきます。
② 相手が動いたことに反応して差し返す
もう一つは、「何か動いた」という情報に反応しているケースです。
例えば、中攻撃や強攻撃のように硬直が長く、やられ判定も前に出る技の選択が多く、空振りしやすい状況では、動きを確認してから中足などを振るだけでもパニカンを狙うことができます。
パンクさんは、この**「空振りを見る反応」と「動いたのを見て反応」**の両方を高い精度で使い分けているため、差し返し精度がおそらく世界トップクラスなのだと思われます。
ブラズさんはこの反応を逆に利用している
ブラズさんは、この2種類の反応を逆に利用しています。
重要なのは、
「この距離なら反応するのか」
「この技には差し返してくるのか」
「空振りを見ているのか、それとも動きを見ているのか」
という情報を、技を振ることで集めている点です。
つまり、
技を当てるためだけではなく、相手の反応を見るために技を振っている
という考え方です。
パンクさんはすぐに修正してくる
しかし、パンクさんの凄さはここからです。
ブラズさんが反応を利用し始めると、パンクさんは数回のやり取りだけで対応を修正してきます。
以下、その具体例を見ていきます。
近距離の立小K空振り(0:19)
ブラズさんvsパンクさんから学ぶ、相手の反応を見て情報を取るやり方
— 白(ワラキア) (@highspeedwara) July 22, 2026
0:00
パンクさん側
リュウの打ち返しミスによる空振りを誘い、大足での差し返し
0:08
ブラズさん側
遠めで中足刀を置き、差し返しミスの大足空振りを誘って差し返しを狙う
遠めの立大K空振りで、差し返しミスの屈中Pを誘う… pic.twitter.com/nQX7JS0mJl
ブラズさんは、近めの距離で立小Kを空振りします。
するとパンクさんは、その空振りを見てキャミィの中足先端を振ります。
立小Kの全体硬直は18Fしかありません。
そのため、どう反応してもパニカンは間に合いません。
通常の相手であれば、立小K空振り→後ろ歩きとすることで、中足先端をギリギリ回避し、その空振りを差し返せる場面が多くあります。
しかし、パンクさんは後ろ歩きで回避する前に中足を差し込めるほど反応が速く、さらに中足がヒットしたことを確認してラッシュまでつなげています。
このやり取りから分かるのは、
近距離の立小K空振り→後ろ歩きはパンクさんには通用しない
中足の状況確認ラッシュまであるため、被弾時のリスクが非常に高い
ということです。
ブラズさんの修正(0:22)
そこでブラズさんは
立小K空振り
から
立小P空振り→立小K置き
へ変更します。
これは、
「空振りに反応してボタンを押す」
というパンクさんの癖を利用した連係です。
立小P空振りを見て中足や立大Kを押すと、
立小Kがちょうど手前に置かれ、カウンターになります。
似たような例を挙げると、ブランカの6中Kやジュリの6大P先端当てがあります。
これらの技は、1段目が空振りしてから前に伸び、2段目が発生するという性質があります。
そのため、1段目の空振りを見て反応し、ボタンを押してしまうと、伸びてきた2段目をカウンターでもらいやすくなります。
立小P空振り→立小K置きも、考え方としてはこれと似ています。
パンクさんが**「何かが空振りした」という情報に反応して中足や立大Kを振る**ことを利用し、その反応に対して立小Kを先に置くことでカウンターを狙っています。
つまりブラズさんは、この連係を使って、パンクさんの「空振りに反応してボタンを押す」という行動そのものを狩りにいっているのです。
遠距離立小K空振り→後ろ歩き(0:31)
さらにブラズさんは距離を変えます。
近距離ではなく、
キャミィ中足が届かない距離
で立小Kを空振りします。
この距離なら
中足は届かない
立大Kは後ろ歩きガードになる
少し遅れた立大Kは空振りする
つまり、
相手が何を選んでも比較的ローリスク
になります。
ここでは実際に立大Kや中足を空振りさせ、大足で差し返しています。
パンクさんの再修正(0:39)
しかしパンクさんはさらに修正します。
立小K空振りに対し、
ラッシュ立小P
へ変更します。
この選択なら
中足刀などの大きい空振りにはパニカン
小技などの小さい空振りには間に合わないがガードさせれば有利
後ろ歩き回避されても隙が小さい
というメリットがあります。
相手の修正に対して、さらに修正を返しているわけです。
差し返ししづらい空振りを使う(0:08)
ブラズさんvsパンクさんから学ぶ、相手の反応を見て情報を取るやり方
— 白(ワラキア) (@highspeedwara) July 22, 2026
0:00
パンクさん側
リュウの打ち返しミスによる空振りを誘い、大足での差し返し
0:08
ブラズさん側
遠めで中足刀を置き、差し返しミスの大足空振りを誘って差し返しを狙う
遠めの立大K空振りで、差し返しミスの屈中Pを誘う… pic.twitter.com/nQX7JS0mJl
ブラズさんは、
立大Kや中足刀など
空振りしてもやられ判定が前に出にくい技
を選んでいます。
これらは
ヒットすればリターンが高い
空振りしても差し返されにくい
という特徴があります。
そのため、
相手に差し返しを狙わせ、逆に差し返しミスを誘う
ことができます。
似たような性質を持つ技としては、ブランカの4中Kや立大Kがあります。
これらもやられ判定が前に出にくく、遠めでは差し返しが難しいため、差し返しミスを誘いやすい技です。
パンクさんの修正能力(0:16)
立大Kや中足刀への差し返しを失敗すると、
パンクさんはすぐに
立大Kで差し返す
ように修正しています。
このように、
一度見せられた地上戦の行動への適応速度が非常に速い
ことも、パンクさんの強さだと感じます。
後ろ歩きやシミーで情報を取る(0:46)
ブラズさんvsパンクさんから学ぶ、相手の反応を見て情報を取るやり方
— 白(ワラキア) (@highspeedwara) July 22, 2026
0:00
パンクさん側
リュウの打ち返しミスによる空振りを誘い、大足での差し返し
0:08
ブラズさん側
遠めで中足刀を置き、差し返しミスの大足空振りを誘って差し返しを狙う
遠めの立大K空振りで、差し返しミスの屈中Pを誘う… pic.twitter.com/nQX7JS0mJl
ここから先は
メンバーシップ
¥ 500 /月
この記事がとてもスキだと思ってくれた方、執筆の応援をしたい方、なにこぞ宜しくお願いします!


購入者のコメント