「楽したいわけじゃない」仕事と家庭の両立に不安、専業主婦を志望する大学生 #マイノーマル
実習で直面した「働く」という現実
保育実習で昨年、ある保育園を訪れた時のこと。園児をかわいいと感じる一方で、気になったのが保育士たちの多忙ぶりだった。 乳児クラスでは、子どもたちが昼寝中に一気に給食をかき込むと、次の活動で使う画用紙をハサミで切ったり、保育計画を立てたりと、常に動いていた。 幼児クラスでは園児と一緒に給食を食べるが、子どもたちがよくかんでいるか、口に詰め込みすぎていないか、常に神経をとがらせていた。 「気が休まることはないだろうな」と思った。
特に目を引いたのが、自らも子育て中の保育士の慌ただしさだ。 時短勤務だったが、朝は「遅くなりました!」と滑り込んで来る。 日中、子どもたちと向き合った後は、事務室で優先的に必須業務を片付け、「すみません、お先に失礼します」とバタバタと職場を後にしていた。 一方で、SNSには現役保育士が匿名で発する、いわゆる「モンスターペアレンツ」への愚痴や、低い手取りなど業務内容に見合わない待遇への不満があふれている。 仕事がどんなに大変でも、やりがいがあればできるとは思う。 でも、「今、感じるのはプレッシャーだけ。やりがいなんて持てるのかな……」。 現状を目にして、働くことへの期待は消え、不安だけが募った。
「経済力があるパートナーを見つける」。そんな考えに至ったのは、土地柄も大きい。 トヨタ自動車のお膝元である愛知県には、グループ会社や関連の部品メーカーなど優良企業が軒を連ねる。 バイト先の居酒屋には、そういった企業に勤める高収入の男性客も少なくない。 店長に呼ばれてお客と一緒に飲んだり話したりすると、落ち着きと余裕を感じた。 聞けば、家庭も大事にしているという。「結婚相手はこういう人がいい」と思うようになった。
世間の批判
前述のマイナビ調査(27年卒)で、専業主婦を志向した理由の上位は「家事や子育てに専念したい」(43・2%)、「できるものならなるべく働きたくない」(24・3%)だった。 調査を担当したキャリアリサーチラボの石田力研究員は専業主婦志向の背景について、「SNSなどで仕事と育児の両立の難しさを目にする機会が増え、『育児に集中したい』と考えるケースがある」と推察する。 また「『なるべく働きたくない』という学生が増えており、その中で専業主婦(主夫)という選択肢を視野に入れる動きも見られる」と話す。
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