むか~し昔、スタッフに自由にやってもらうことにした話【第3回】
前回は、言霊システムがどうやって生まれたかの話を書きました。
今回は『ルドラの秘宝』のシナリオを作るにあたって、私がプロジェクトリーダーとして密かに心に決めていた方針の話をします。
その方針とは、「各担当者に、できる限り自由にやってもらう」ということです。
実はこれは、私の過去の「手痛い反省」から生まれた方針でした。
ルドラの前に私がゲームプランナーとして担当したゲームは、クリスタルソフト時代のデビュー作『夢幻の心臓Ⅲ』と、スクウェアでのデビュー作『サガ3 時空の覇者』です。(「3作目」に縁がある不思議な巡り合わせ ww)
「たっかいユンケル」と徹夜の日々、そして失敗の反省
クリスタルソフト時代の開発現場は、パソコンゲームの開発ということもあり少人数構成のチームでした。当然のように連続で徹夜するような日々。
1本3千円?くらいする「たっかいユンケル」を飲んで、3日間ぶっ続けで起きていたこともあったかなぁ〜。( なんじゃ! この効き目! ユンケル恐るべし!! )
しかも、実はここだけの話……私は国語・英語など語学が苦手。>< 当然ゲームの「シナリオ作成」なんか得意なわけがない ww( ^_^;)
苦手なシナリオを必死に勉強するため、制作期間中は1日おきくらいのペースで、毎日10本前後の映画をレンタルして見続ける生活を送っていました。
続くスクウェアでの『サガ3』では、メンバーこそ増えたものの、RPG製作経験者が少なかったので、私がシナリオとバトルシステム全般の設計を一人で背負い込んでしまいました。
その結果、結局またもやいっぱいいっぱい。>< 発売後、パーティーメンバーのNPCの中に「全くセリフが用意されていなかったキャラ」がいることが発覚するという失態を犯してしまったのです。
だからこそ、『ルドラの秘宝』では同じ轍は踏まない。 全体のストーリーの骨組みと目的、主人公たちのキャラ・性格設定や重要なイベント内容だけを私が決めて、あとは「各主人公担当者の裁量にすべて委ねる」という方針にしたのです。
リーダーさえ知らなかった「嬉しい誤算」
この「任せる」という方針からは、私の想像を超える素晴らしいアイデアが次々と生まれました。
例えば、大阪開発1部から合流してくれた企画担当のYa君。彼は町民のセリフ全般を担当してくれていたと思うのですが、一部の種族の語尾や話し方にものすごい工夫を凝らしてくれました。 まるで漫画『ONE PIECE』のキャラクターたちのように、セリフを読むだけで「あ、この種族だ」と直感的にわかる。これはおそらくYa君のアイデアだったんじゃないかと思っています。
もうひとつ、今でも印象に残っているのが「タイトル画面のデモムービー」です。
普通はゲーム内容をさらっと紹介するだけのデモが多いのですが、Ya君が作ったのは、ゲーム本編が始まる以前の「過去の歴史」が見られたり、バトルシーンのハイライトが劇的に流れたりする仕様でした。
な〜んかSa君のいるサウンドルーム( 通称おトイレww )にちょくちょく出入りしてるなぁ〜と思ってたらこのデモの曲を依頼してたんだね。しかも、この曲がカッコイイことカッコイイこと^^
「タイトル画面のまましばらく待っていると、こんな熱い映像が見られるのか!」と、私も後から知って驚きました。最高に嬉しい誤算でした。^^
私一人では絶対に書けなかったシナリオ
この「担当に任せる」という方針は、4人の主人公たちのストーリーにも適用することになります。それぞれのシナリオ担当は、以下のようなメンバーです。
シオン編・デューン編:私(Kid.e)
サーレント編:シナリオ担当のKaさん
リザ編:シナリオ担当のKy君
信頼するメンバーに思い切ってお任せしていたので、仕上がってきたプロットを見て、私自身「えっ、この主人公の話の流れ、こんな展開になるんや!」とか「このNPCの性格おもろすぎるやろ。^^」とか純粋に驚かされることも沢山ありました。
この方針をとったおかげで、私の頭の中だけでは絶対に生まれなかった、最高に魅力的で、ちょっとおかしなキャラクターたちが誕生することになります。
その中でも、特に作った人の愛情が暴走している(?)印象深いキャラクターたちのお話を、次回はもう少し詳しく掘り下げてみようと思います。
気が向いたら、また読みに来てください。



あ~やはりクリスタルにいらしゃったのですね! Fさんもそうだったと聞きましたので通りで。 しかし、3人の主人公のシナリオを3人で分割するのは英断でしたね。当時、エンディングを向かえて、ようやく作った人が分かる、とワクワクし、シナリオに三人?と驚きながら(当時では珍しい気がする)納…
コメントありがとうございます。「記事を読んで思い出しました。」ということは当時のプレーヤーさんなのかな? まだ先の回になると思いますが、Fuさんも登場する予定です。また気が向いたら読みに来てくださいね。
3人の主人公の視点からルドラの世界を深掘りできるのが本当に面白く、今でもすごいバランスで作り込まれているシナリオだと思っています。構想段階ではデューンの物語ももっと組み込まれていたのでしょうか。 クリア後にデモムービーをみて、これは前日譚では?!と感動していました。本編では語ら…
コメントありがとう。デモムービーのアイデアほんと良いですよね。^^ 私も嬉しかったです。担当者に感謝! 感謝です! デューンの章の件に関してもいずれお話しようかと思ってます。また遊びに来てくださいね。^^
30年前、 シオン編のシナリオでワクワクし、サーレント編のシナリオで人間の限界を知り、 リザ編のシナリオで泣かされましたね 特にリザ編は明るいのに重い。 作った人マッパーさんかなってくらい、シナリオとマップの変化を落とし込んでいる・・・
コメントありがとうございます。30年前ということは当時のリアルタイムプレーヤーさんですね。うれしい!>< 次回リザ編のキャラクターにも関わる話を予定なので楽しみにしてくださいね。また気が向いたら読みにきてください。