【短編小説】闇のディアハ!──希望の対戦
ここに、古より輓獣と思わしき者を相互に操り、勝負師たちが地下で──広大なフロントで──闘技が繰り広げられていた。ひとり、闇の少年は、才能を開花させていた。どんな敵でも輓獣を操り制覇していくその姿は、彼に神が舞う降りたように、人々は謳った。闇の少年の名は、夢闘悠(むとうゆう)と呼んだ。百戦錬磨と謳われるその姿に、誰もが、そう、輓獣さえも彼に恐れ慄いた。誰も彼のカー(下僕)に勝てないのではないかと噂は広まった。彼のカーは、ディアンプランという最高級のカーであった。
その昔、盗賊にカーが次々となぶり殺しに遭うという悲劇が起きたが、ディアンプランは、盗賊たちを征伐したのである。盗賊たちという複数の相手を前に、余裕で善戦していたのだから、相当強いはずである。ディアンプランの強さは夢闘に認められ、下僕となることを土下座して頼まれたのであったが、ディアンプランは少し熟慮して、「いいだろう、今日からあなたを守護する」と誓ったのである。夢闘は歓び、「頼むぞ」と微笑んだ。
百戦錬磨を通り越した矢先に、莞爾(かんじ)という強力な操り主が現れた。莞爾は、夢闘と一戦を交えたい衝動に駆られた。莞爾は、夢闘悠にキラー・スネークというカーを所持しながら逢いに向かった。夢闘は闘いの戦火が切られる予感がした。莞爾は、夢闘に逢うと、「一戦を交えたい」と素直に言った。夢闘は、「よかろう」と応えた。ここに、闘いの火蓋が切られるのであった。
夢闘悠と莞爾は、共に「ディアハ!」と大声を出した。


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