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東大生ですらプログラムを書かなくなった。「AIで速くなった」という実感が、一番危ない

割引あり

「つなぐ力で未来をつくる。」を掲げる
名古屋のDX推進・Web制作/構築・システム開発会社
コネクティボの平野です。

「若手がAIで資料を作るようになって、
仕事が速くなったんですよ」

最近、経営者の方からこういう話をよく聞きます。

いいことですよね。
私も、AIはどんどん使うべきだと思っています。

でも今日は、その「速くなった」という実感に
ひとつだけ疑問を投げかけたいのです。

その実感、本当に当てになるでしょうか。

先に結論を少しだけ言うと、
「速くなった」「できた」という感覚が
実際の測定結果と食い違う、というデータが
立て続けに出てきています。

しかも、気づかないうちに
人が育たなくなるという副作用つきで、です。


日本のAI研究の第一人者が、自分の研究室で見たこと

2026年4月、東京都内で開かれた国際イベント
「SusHi Tech Tokyo 2026」で、
東京大学の松尾豊教授がこんな話をしました。

松尾教授といえば、日本のAI研究をリードしてきた人です。
研究室からはこれまでに42社のスタートアップが生まれ、
AI教育プログラムには2万6000人以上の学生が参加しています。

誰よりもAIの活用を推し進めてきた当人が、
自分の研究室の変化をこう語ったのです。

「アイデアを生成AIに入れてコーディングさせ、
結果を見て少し修正を加えて提出する。
最近では、アイデアそのものまで
AIが出してしまうこともある」

東大生ですら、プログラムを書かなくなった。
アイデアを出すことすら、AIに渡し始めた。

そして松尾教授は、自らこう問いかけました。

「我々の創造性は、
いったいどこに行ってしまったのか」

AI活用の旗を振ってきた第一人者の自問です。
これは、重い言葉だと思いませんか。

「まあ、それでも成果物が出てくるなら
いいんじゃないの?」

そう思われるかもしれません。
私も、半分はそう思います。

でも、ここからのデータを見ると
「半分」の意味が分かってもらえると思います。


練習では+48%、本番では−17%

アメリカのペンシルベニア大学ウォートン校の
研究チームが、2024年にこんな実験をしています。

トルコの高校生およそ1,000人に、
数学の練習でAIを使わせたのです。

結果はこうでした。

  • AIを使った生徒の練習中の成績:使わない生徒より +48%

  • 同じ生徒の、AIなしの本番試験:使わない生徒より −17%

練習では明らかに伸びて見えたのに、
本番ではむしろ点を落としたのです。

練習中、生徒たちは間違いなく
「できるようになった」と感じていたはずです。

でもその「できた」は、
自分の力ではなくAIの力でした。

「できた気」と「できる」は、別物だった。
それを1,000人規模で示した実験です。

「それは学生の話でしょう。
うちはベテランが使っているから大丈夫」

そう思われた方に、もうひとつデータがあります。
こちらの方が、正直ゾッとします。


ベテランでも、自分の実感を信じられない

2025年7月、METRというアメリカの調査機関が
発表した調査です。

対象は学生ではありません。
経験豊富なオープンソース開発者16人。
プロ中のプロです。

実際の開発タスクを「AIあり」と「AIなし」で
やってもらい、かかった時間を測りました。

結果、AIを使った方が 19%遅くなりました

驚くのはここからです。

開発者たちは作業前、
「AIを使えば24%速くなるはず」と予測していました。

そして作業を終えた後、
実際には19%遅くなっていたにもかかわらず、
「20%速くなった」と信じていたのです。

実測は遅い。実感は速い。

プロの開発者ですら、
自分の体験を正しく振り返れませんでした。

つまりこういうことです。

冒頭の「若手がAIで速くなったんですよ」も、
若手本人の「AIで仕事が速くなりました」も、
実感である限り、当てにならない可能性がある。

では、AIを使う現場で
実際には何が起きているのでしょうか。

そして、どう設計すれば
「速くなった気がするだけ」ではなく、
本当に速く、しかも人が育つ形でAIを使えるのでしょうか。

ここから先は、その話です。

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「つなぐ力で、未来をつくる。」名古屋のDX実装会社コネクティボ代表・現役インフラエンジニア。 累計2,500社利用のクラウド見積サービス『見積Rich』を自社開発。AI・DXを現場で使える仕組みに落とし込む実践知を、中小企業の経営者と情シスの方へ発信しています。
東大生ですらプログラムを書かなくなった。「AIで速くなった」という実感が、一番危ない|平野智裕|現役インフラエンジニア社長(コネクティボ代表)
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