夢みたいな夢をみていた【ゼッツ映画感想】
映画「仮面ライダーゼッツ さよならのミッション」を初日から早速見てきたので、ざっくりにはなるが感想を話していきたい。好きな部分をかいつまんで書いていくスタイルになるので大筋とかは省略気味で。
当然ネタバレ全開のため注意。
さらなる質量を生む玖門のキャラクター性
前年のガヴに続きゲストキャラよりもレギュラーメンバーが出演キャストの半分以上を占めるなかで、本作のゲストキャラとなる玖門宗馬を演じるのはM!LKの曽野舜太氏。ほぼ単独で敵サイドを担う非常に重い立ち位置となるキャラクターなため、一体どのような描かれ方をするのかとても気になっていたが…まさに役どころにピッタリとハマるキャスティングであった。
国家上層部との位置付けに説得力を与えるスーツと袴を足したようなスマートな衣装に、”若きエリート”感を強調する曽野氏の甘みとクールさが混ざったルックス。洋風エージェントを進んできたゼッツ陣を跳ね除けるような和風テイストな味付け…
影で世界を守るCODEを対比するように表立って復讐を目論み、静かにゼッツを追い詰める佇まいは見ていて惚れ惚れするカッコよさがあった。ぽっと出になりすぎないように本編キャラとの接続性を持っていたり、既に散々強くなっているゼッツと相対するべく人物造形、バトルスタイル、能力の全てにおいて丁寧な強さが見えたりと、かなり作り込まれたキャラクターである印象を受ける。
洗練された要素を多分に含む玖門の存在は、たった一人であっても本作に多大なる質量を与えていると言えるだろう。
”リアリティなんて求めてない”大胆な描写
作中でジークが放った「俺はリアリティなんて求めてないんだよ」を体現するよう、本作にはまさに夢のような描写がたっぷり詰まっていた。ゼッツとノクスの共闘に始まり、ジーク含めたCODEメンバーの復活からの7人同時変身、ゼッツの新フォーム「エージェンドリーム」の活躍に長尺のバイクスタント。仮面ライダーといえばこれ!ゼッツで本当にやりたいのはこれ!という待ち焦がれていたシーンの数々が映画ならではの迫力で繰り出され、映画全体を通して実にダイナミックな見応えを感じられた。
その大胆さの補強は、やはりゼッツ特有の「夢」というテーマに由来する。本作はそこからさらに”白昼夢”を主題にすることで現実世界のままに夢の力が自在に炸裂し、お祭り映画もかくやというほどに整合性をぶっ飛ばしたアクションが展開されていく。
本編にて全力で退場したキャラが何食わぬ顔でぬるっと登場したり、戦闘中に太陽や月が落ちてきたり砕け散ったり、スーツが(恐らく)現存しない疑似ライダーたちを無理やり出せる形に落とし込んだり。本編でも夢であるがゆえに意図して整合性を省いたアクションがテーマの説得力と面白さを同時に生み出していたが、本作はそれが良い方向性でエスカレートしていてとても爽快感があった。
人が夢を見る(持つ)こと、叶えるために全力で今に立ち向かうこと。作品の集大成となる映画に夢のようなシーンを詰め込むことで制作側、視聴側の両者が持つ夢を現実とし、ゼッツが掲げるメインテーマを作品そのもので実現させるところに確かな満足感と作品作りにおける妙の見事さを感じる。
白黒の対比が光る新規デザイン
映画にて新規登場となったスーツにも触れていこう。
まずは夢現。白昼夢の力で変身することを表すべくゴールド、パープル、ネイビーの3色アシンメトリーで昼と夜を描き、マスクデザインも片目を細めるように複眼のデザインを二極化することでこれまた昼夜が混ざり合うような印象をもたらしている。
際立つ非対称性により玖門自身の国家上層部に立つ力強さ、CODEに復讐を仕掛ける暗さのどちらともを映し出しているようでとてもカッコよく仕上がっているのはもちろん、刀一本で戦う戦闘スタイルと片目を細めたマスクが重なることで一振りごとの真剣な姿勢が見えるところも気に入っている。
胴:リバイス ジャックリバイス
右肩:ゼロワン シャイニングホッパー
左肩:ビルド ハザード
腕:ゼロワン シャイニングホッパー
脚:ゼロワン シャイニングアサルトホッパー
夢現もよく見てみると頭部以外流用なのが分かるが、チョイスが複雑なので新鮮味はある。というかこれを割り出すのにめっちゃ図鑑と睨み合ったので、つまり制作側の意図しているであろう”流用らしからぬ姿”はちゃんとできているということだろう。
頭部は直近の派生フォームなどを見てもあまり共通項が見えてこないので多分新造だと思うのだが…
次に各種ロード。ノクスナイト→ファイブ→スリーと何度も改造されているであろうロード組だが、今回素体が大量に並んだことでもはや何がなんだかさっぱりな状態である。一体どれが現存しているスーツなんだ
それはさておき、素体は全員共通、頭部も一部新造?でカラーリング以外ほぼ共通の形となって全員変身するという異例の光景にかなり驚いた。とくにロードゼロとロードツーは予告にすら映っておらず、想像がつかないがゆえのインパクトが強烈に刻まれた。
本編でも連携を取る気がないメンツばかりだったように、本作においてもその個性の強さが健在である点に安心を覚えたし、それでいて個人でいくらでも戦えてしまう彼らの強さを再確認できるアクションが素晴らしかった。
ロードスリーが最推しなのでまた見られて本当によかった。敵を倒したら無言で退勤するスリーが一番かっけぇよ…
最後にゼッツ エージェンドリーム。初見ではエージェントの力が集結した姿にしては妙に整ったデザインだと思っていたが、変身シークエンスでその謎が明かされた。7つの照準から放たれた弾丸がゼッツの体表に当たり、着弾点で広がる火花の軌跡がゴールドラインを無数に描くことでアーマーを形成していたのだ。ちょっと、カッコよすぎませんかそれは。
エージェントの名を冠するだけあってしなやかに翻るバトルスタイルに切り替わり、莫が思い描く理想のエージェントをそのまま振る舞っているようで。”夢のエージェント=エージェンドリーム”との解釈がめちゃくちゃに刺さってしまった。本編での強化フォームが黒をメインとしていたところでトドメが真っ白なのもズルい魅力がある。
スーツは全身新造なのだろうか?色々過去のスーツを見てみたが繋がるポイントが見えてこなかった。映画限定フォームって意外と贅沢に新造まみれなことも多いので、今回もそうなのかもしれない。見終えた勢いで感想書いてるから疲れて目が動いてないだけの可能性もある
安定の強さを誇る劇伴と主題歌
そして安定の強さを誇る坂部剛氏と高木洋氏の見事な劇伴。
映画の壮大かつ繊細な空気を感じさせる「The CODE Operative」やCODE集結を彩る「The CODE Agents」など要所で思いっきり元気にさせてくれる劇伴がありつつ、やはり最もクールなのはラストカットへ突き進む「AGENDREAM」だろうか。
セブンのテーマ「CODE NUMBER:7」のイントロから始まり、一度しゃがんでからキックに向けてエクスドリームのテーマに差し掛かるリメイクチックな曲の構成が美しい。ゼッツの劇伴は日常シーンを高木氏、戦闘シーンを坂部氏に分けた構成が印象的だが、上記AGENDREAMは両者の曲がミックスされている映画ならではの特別感が見えて好きだ。
高木氏が手掛けたガッチャード辺りから映画のラストカットを担う劇伴がずっとカッコよくて困ってしまう。
主題歌の「Dreams Never Sleep」も爽やかな余韻を味わえて心地よかった。「VISIONS」「PLAY BACK」「Kickstart」などアップテンポでスタイリッシュな楽曲で盛り上がってきたゼッツの流れにうまい緩急を生み出していて、夏映画を見終えたとき特有の1年追ってきた重荷が一度下ろされるような感覚ともリンクしている気がするのも好きなポイント。
つまるところ
この1年間、自分自身でも異常だと思うほどに全力で追いかけてきた仮面ライダーゼッツがついに夏映画の節目に立つということで様々な期待を抱いて劇場に向かったワケだが、本作はそれを期待通り…よりも数段上のパワーで見せつけてくれる作品であった。
本編でいつか実現してほしいと思い続けていた光景が目の前で映像として現実になっていくさまは夢をテーマに据えながらその造形を細かく拾い続けてきたゼッツだからこそ描けたモノのような気がしていて、総じて満足度十二分の素晴らしい夏映画だった。あと2ヶ月もせずにゼッツが終わってしまうとはにわかに信じがたいが、この作品でもって更なる熱を持って見届けていくことができそうだ。
スタイリッシュマイスター
ごめんなさい、マイスがカッコよすぎます。もう好きになってしまいました。
これは昨年も全く同じくだりをやったのだが、今年もやっぱり初報段階ではイマイチ刺さり切らないポイントが多く…どうしても突飛なシルエットに振り回される第一印象が定番ルートなので「まぁ生きてるうちは仮面ライダー見るのも人生の一部だし…」でゆるっと今年も劇場でマイスの活躍を目撃したのだが、待ってほしい。なんであんなにカッコいいんだこのネズミは。
エージェントのオシャレさで飾ったゼッツとは違った執事という品格を持った落ち着きのある所作、執事=マイスターが仕える者への敬礼をするようなしゃがみを混ぜた変身ポーズ。実験動物の一面も持つネズミモチーフを意識させるアクロバティックなアクションと、回し車で運動エネルギーを溜めてから放つ神速のライダーキック…
そして何よりも!!!!高木洋氏が手掛けるマイスのメインテーマの一端「Shall We Go」!!!!!!!
俺はいつまでも!!!!!!!!!!!!!東映の手のひらで転がされています!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
早く制作発表やってください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




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