スマートフォンの画面に突然「+18」から始まる見知らぬ電話番号が表示されたら、誰しもドキッとしてしまいますよね。 「これってどこからの着信?」「もしかして詐欺?」「思わず出てしまったけれど、大丈夫かな……」と、不安な気持ちでこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えします。「+18」から始まる電話番号は、国際電話を利用した特殊詐欺の可能性が極めて高いです。もし着信があっても、絶対に出たり、かけ直したりしてはいけません。
本記事では、「+18」から始まる電話番号の正体から、うっかり電話に出てしまった場合の対処法、そして二度と不審な電話がかかってこないようにするための着信拒否設定まで、分かりやすく丁寧に解説します。
焦る必要はありません。まずは深呼吸をして、この記事を読みながら落ち着いて対処していきましょう。
「+18」から始まる電話番号の正体は?どこからの着信?
スマートフォンに表示された「+18」という見慣れない番号。「そもそも『+』って何?」「どこの国からの電話なの?」と疑問に思うかもしれません。
まずは、この不気味な電話番号の正体と、なぜあなたの電話にかかってきたのか、その背景について詳しく見ていきましょう。
北米のフリーダイヤル、または偽装された番号
電話番号の先頭についている「+」とそれに続く数字は「国番号(国コード)」を表しています。例えば、日本の国番号は「+81」です。
では「+18」はどこの国なのでしょうか。実は、厳密に「+18」という単独の国番号を持つ国は存在しません。最も可能性が高いのは、アメリカやカナダの国番号である「+1」に、トールフリー(日本のフリーダイヤルにあたる番号)でよく使われる「800」や「888」などが続いた「+1 8XX〜」という番号の一部が表示されているケースです。
しかし、あなたがアメリカやカナダの企業に問い合わせをした覚えがないのであれば、海外から正規の電話がかかってくることはまずありません。
実態は、詐欺グループが発信元を特定されないように、インターネット回線などを経由して海外の電話番号を「偽装」して発信しているケースがほとんどです。つまり、相手は海外にいるとも限らず、日本国内から海外のサーバーを経由して電話をかけてきている可能性も十分に考えられます。
NTTファイナンスや通信会社を騙る詐欺が急増中
近年、この「+18」などの国際電話番号を利用した特殊詐欺が急増しており、警察庁や各自治体も強く注意喚起を行っています。
代表的な手口が、「NTTファイナンス」や大手通信会社、または公的機関を騙る架空請求詐欺です。
電話に出ると、人間のオペレーターではなく「自動音声ガイダンス」が流れるのが大きな特徴です。
「未納料金があります。法的措置に移行します。オペレーターにお繋ぎする場合は『1』を押してください」などと不安を煽るような音声が流れ、指示通りにボタンを押すと、今度は本物の詐欺師(オペレーター役)につながります。
そこで「昨年登録した有料サイトの利用料金が未納になっている」「今日中に支払わないと裁判になる」などと言いがかりをつけられ、高額な金銭を騙し取ろうとしてくるのです。
参考:NTTファイナンスを名乗る架空料金請求詐欺にご注意ください(神奈川県警察)
また、着信がワン切り(1コールだけ鳴って止まる)だった場合、国際ワン切り詐欺の可能性があります。以下の記事にて詳細を解説しているので、参考にしてみてください。
【警告】他の「+」から始まる番号にも要注意!
詐欺グループが利用する番号は「+18」だけではありません。警察の取り締まりや、人々の警戒心をすり抜けるため、彼らは頻繁に発信元の番号を変更しています。
例えば、イギリスの国番号である「+44」や、アメリカ・カナダの「+1」、さらには日本の国番号である「+81」を悪用した着信も多数報告されています。
「+81」なら日本国内だから安心だろう、と思って電話に出てしまうと、先ほど紹介したような自動音声ガイダンスによる詐欺に巻き込まれる危険性があります。
基本ルールとして、「見知らぬ『+』から始まる電話番号からの着信には絶対に出ない」ということを、ぜひ心に留めておいてください。相手が本当にあなたに用事があるのなら、留守番電話にメッセージを残すか、別の手段で連絡してくるはずです。
【危険】「+18」から始まる電話に出てしまったらどうなる?
「詐欺だと知らずに、つい電話に出てしまった……」
そんな方もいるかもしれません。突然の自動音声に驚いて電話を切った方もいれば、オペレーターと少し話してしまった方もいるでしょう。
電話に出てしまった直後、これから何が起きるのか不安でいっぱいかと思います。ここでは、電話に出てしまった場合のリスクと、知っておくべき事実について解説します。
出ただけですぐに被害に遭うわけではない
まず、一番安心してお伝えしたいのは、「電話に出てしまっただけで、すぐに金銭的な被害に遭うことはない」という事実です。
スマートフォンに着信があり、通話ボタンを押してしまっただけでは、あなたの銀行口座から勝手にお金が引き落とされたり、スマートフォンがウイルスに感染したりすることはありません。
詐欺グループの目的は、電話に出た人間を言葉巧みに騙し、自発的にお金を振り込ませたり、電子マネーを購入させたりすることです。つまり、あなたが具体的なアクション(お金を払う、個人情報を教えるなど)を起こさない限り、直接的な被害は発生しません。
もし電話に出てしまい、自動音声や詐欺師の声が聞こえても、その場ですぐに電話を切ったのであれば、ひとまずは安心してください。過度にパニックになる必要はありません。
ただし「カモリスト」に登録されるリスクがある
直接的な被害はないものの、見知らぬ国際電話に出てしまったことで生じる「厄介なリスク」が一つあります。それは、詐欺グループのターゲット名簿、いわゆる「カモリスト(名簿)」にあなたの電話番号が載ってしまう可能性があるということです。
詐欺グループは、無作為に(ランダムに)大量の電話番号へ機械的に発信を行っています。
その中で「呼び出し音が鳴って電話に出た番号」は、彼らにとって「現在使われている有効な番号」であり、「警戒心が薄く、話を聞いてくれる可能性のある人物」としてリストアップされてしまいます。
一度カモリストに載ってしまうと、その後、別の電話番号から何度も迷惑電話がかかってきたり、不審なSMS(ショートメッセージ)が送られてきたりする確率が高くなります。「この番号は騙せるかもしれない」とマークされてしまうため、今後はより一層の注意と対策が必要になります。
絶対NG!折り返し(かけ直し)は高額通話料の罠
不在着信に気づき、「重要な用事かもしれない」と思って「+18」などの見知らぬ番号に折り返し電話(かけ直し)をしてしまった場合は、少し状況が異なります。絶対にやってはいけない行動の一つです。
海外の番号にこちらから発信してしまうと、高額な国際通話料金が発生してしまいます。
これは「国際ワン切り詐欺」と呼ばれる手口の可能性があります。詐欺グループは、あえてワン切り(着信音を1〜2回だけ鳴らして切る)をして不在着信を残し、ターゲットからの折り返し電話を待ちます。
ターゲットが折り返すと、海外の通信事業者を経由することになり、詐欺グループ側に通話料の一部がキックバック(報酬として還元)される仕組みになっているのです。
「電話に出られなかったから」と安易にかけ直すのは、詐欺グループに利益を与えるだけでなく、あなた自身の電話料金が高額になる原因となります。見知らぬ海外番号への折り返しは絶対にやめましょう。
詐欺かも?「+18」からの電話に出てしまった際の対処法
もし、「+18」から始まる電話に出てしまい、ガイダンスに従ってボタンを押してしまったり、オペレーター(詐欺師)と話をしてしまったりした場合は、どうすればよいのでしょうか。
パニックにならず、以下の対処法をしっかりと頭に入れて、冷静に行動することが何よりも重要です。
個人情報や口座番号は絶対に教えない
詐欺師は「未納料金の確認のため」「本人確認が必要」などともっともらしい理由をつけて、あなたの個人情報を聞き出そうとします。
氏名、生年月日、住所はもちろんのこと、銀行の口座番号、クレジットカード番号、暗証番号などは、いかなる理由があっても絶対に教えてはいけません。
「警察の者ですが」「裁判所からの通達で」などと権威のある機関を名乗ることもありますが、本物の公的機関やNTTファイナンスなどの企業が、国際電話を使って突然個人情報や暗証番号を聞き出すことは100%あり得ません。
もし少しでも会話をしてしまい、相手から情報を求められたら、「怪しい」と判断して無言で電話を切りましょう。相手のペースに乗せられないことが肝心です。
お金を要求されても絶対に支払わない(電子マネーに注意)
相手の最終的な目的は「お金を騙し取ること」です。
「今日中に支払えば裁判を止められる」「後で全額返金されるから、とりあえず振り込んでほしい」などと、急かしたり安心させたりしながら支払いを要求してきます。
近年、特に多い手口が「コンビニで電子マネー(プリペイドカード)を買ってくるように」と指示されるケースです。
「Apple Gift Card(アップルギフトカード)」や「BitCash(ビットキャッシュ)」などを指定の金額分買わせ、カード裏面の番号(PINコード)を電話やメールで教えるように言ってきます。番号を伝えた時点で、その電子マネーの価値は詐欺グループに奪われてしまいます。
まともな企業や公的機関が、未納料金の支払いにコンビニの電子マネーを指定することは絶対にありません。「電子マネーで払え」「プリペイドカードを買え」と言われたら、それは100%詐欺だと断定して間違いありません。
不安な場合は警察や公的機関に相談する
「少し情報を話してしまったかもしれない」「相手から何度も電話がかかってきて怖い」「払わないと裁判にすると脅されて不安だ」という場合は、一人で抱え込まずに、すぐに専門の窓口に相談してください。
誰かに話すことで冷静さを取り戻せますし、適切なアドバイスを受けることで被害を未然に防ぐことができます。
- 警察相談専用電話「#9110」
事件が発生する前段階での相談窓口です。緊急の110番とは異なり、詐欺かもしれないという不安な状況でも専門の相談員が対応してくれます。 - 消費者ホットライン「188(いやや)」
架空請求や悪質商法などのトラブルについて、最寄りの消費生活センターを案内してくれます。
「自分が騙されかけたなんて恥ずかしい」と思う必要はありません。詐欺の手口は年々巧妙化しており、誰でも騙される可能性があるのです。迷わず公的な機関を頼るようにしてください。
もう悩まない!「+18」などの国際電話を着信拒否する方法
「+18」などの不審な国際電話に出てしまったり、不在着信があったりした後は、今後の対策が欠かせません。前述の通り、一度着信があった番号はターゲットとして狙われやすくなるためです。
あなたの平穏な日常を守るために、スマートフォンに備わっている機能や、各通信キャリアが提供しているサービスを活用して、迷惑電話をシャットアウトする設定を行いましょう。
iPhone・Androidの標準機能で個別にブロックする
最も手軽ですぐにできる対策は、スマートフォンの標準機能を使って、かかってきた電話番号を個別に「着信拒否(ブロック)」することです。
特定の「+18〜」の番号から何度もかかってくる場合は、この方法が有効です。
【iPhoneの場合の設定手順】
- 「電話」アプリを開き、「履歴」タブをタップします。
- 着信拒否したい番号の右側にある「i」(インフォメーションマーク)をタップします。
- 画面の一番下までスクロールし、「この発信者を着信拒否」をタップします。
【Androidの場合の設定手順】(※機種により若干表記が異なります)
- 「電話」アプリを開き、着信履歴を表示します。
- 着信拒否したい番号を長押し、または番号の横にあるメニューアイコン(︙など)をタップします。
- 表示されたメニューから「ブロック」や「着信拒否」を選択します。
これで、指定した番号からの着信は鳴らなくなります。ただし、詐欺グループは番号を次々と変えてかけてくるため、イタチごっこになってしまう可能性がある点には注意が必要です。
各携帯キャリアの迷惑電話対策サービスを利用する
個別の着信拒否だけでは防ぎきれない場合は、各通信キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)が提供している迷惑電話対策サービスを利用しましょう。
以下の比較表に、主要キャリアの代表的なサービスをまとめました。
| 通信キャリア | サービス名 | 特徴・料金 |
|---|---|---|
| NTTドコモ | 迷惑電話ストップサービス | 【無料】着信履歴などから個別に番号を登録し、最大30件まで着信を拒否できる。国際電話の一括拒否機能は現在提供なし。 |
| au (KDDI) | 迷惑メッセージ・電話ブロックアプリ (迷惑電話撃退サービス) |
【一部無料】アプリの利用で迷惑電話を警告・ブロック。Android版アプリのみ、設定で「海外からの着信を一括拒否」することが可能。 |
| SoftBank | ナンバーブロック | 【月額110円(税込)】個別に指定した番号(最大144件)からの着信を拒否し、お断りガイダンスを流す。 |
特にauを利用しており、かつAndroid端末をお使いの方は、「迷惑メッセージ・電話ブロック」アプリの設定から、海外からの着信自体を一括で拒否できる強力な機能が備わっています。仕事などで海外からの着信を受ける必要がない場合は、ぜひ設定しておきたい機能と言えます。
迷惑電話対策アプリを導入する
キャリアのサービスだけでは不安な場合や、より強力に迷惑電話を未然に防ぎたい場合は、市販の「迷惑電話対策アプリ」をインストールするのも非常に有効な手段です。
代表的なものとして「トビラフォンモバイル」や「Whoscall(フーズコール)」などのアプリがあります。
これらのアプリは、警察や自治体から提供された情報や、独自の膨大な迷惑電話番号データベースを照合し、着信時に「詐欺の可能性あり」「迷惑電話」などと画面に警告を表示してくれます。
また、データベースに登録されている危険な番号からの着信を自動でブロックする機能も備わっているため、自分で個別に設定する手間が省けます。
一部機能は有料(サブスクリプション)となりますが、「毎日のように不審な着信があってストレスを感じている」「離れて暮らす高齢の両親のスマホに入れてあげたい」といった場合には、安心を買うという意味で導入を検討する価値は十分にあります。
まとめ:「+18」からの不審な着信は無視と着信拒否が鉄則!
今回は「+18」から始まる電話番号の正体と、うっかり出てしまった場合の対処法、そして着信拒否の方法について詳しく解説しました。
最後にもう一度、重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 「+18」など見知らぬ「+」から始まる着信は国際電話詐欺の可能性大。
- 絶対に出ない。そして絶対に「かけ直さない(折り返さない)」。
- 万が一出てしまっても、個人情報を教えたり、お金(電子マネー等)を支払ったりしなければ被害はない。
- 着信履歴に残った番号は、スマホの機能やキャリアのサービスを使って即座に「着信拒否」する。
- 不安な場合は一人で悩まず、「#9110」や「188」など公的機関に相談する。
便利なスマートフォンですが、見えない悪意がすぐそばまで迫ってくるツールでもあります。しかし、正しい知識を持ち、冷静に対処すれば、詐欺の被害は確実に防ぐことができます。
本記事の内容を参考に、ご自身の、そして大切なご家族の安全を守るための対策を今日から始めてみてくださいね。
参考:【注意】「+18」から始まる電話番号は詐欺?(800/888/877/866/855/844/833)正体と対処法まとめ(サクッと解説)