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「イヤよイヤよも好きのうち」の問題点を小児精神科医が指摘。18歳未満の性暴力被害者が過去最多の日本で起きていること

新刊『ジェンダー・ジャスティス』抜粋 第1回

ニュースでたびたび目にする「性暴力事件」。3月頭には、札幌の私立高校の元教員男性による教え子に対する度重なる性加害事件が明るみに出た。マンガ編集部が絡んでいることがわかり大きな議論を呼んだ。また、3月30日には、13歳から6年間という長期にわたり部活動で外部コーチから性的被害を受けていた女性が損害賠償を求め訴訟し、会見を開いている。他にも、報道される全国の性暴力事件をあげたら切りがない。

実際に、2026年2月26日に警察庁から発表された資料(※1)によると、18歳未満で性被害にあった件数は、3年連続増加し4858件。過去10年間でもっとも多かった。この報告でもっとも衝撃的だったのが、被害者の低年齢化だ。SNSなどの利用から不同意性交などの事件に遭った子どもは1566人。小学生は167人。そして、被害者は女児だけでなく男児も含んでいる。

また、性被害は未成年だけではない。2025年4月に内閣府男女参画局が発表した資料(※2)によると、2024年の不同意性交等の認知件数は3,936件で、2023年に比べ1,225件(45.2%)も増加。不同意性交等の検挙件数にいたっては、2024年は3,376件で、前年に比べ1,303件、なんと62.9%も増加している。これは単に発生率が増えたいうだけでなく、認知・検挙が進んでいるともいえるが報道を見ても事件が頻発していることは確かだ。なぜこんなにも性暴力事件は蔓延してしまうのだろうか……。

「アメリカでも今、エプスタイン問題が浮上しています。隠蔽問題も指摘されていますが、国民の多くは許さない、曖昧にしない、という意識を持っています。日本でもジャニー喜多川氏の問題やフジテレビの問題など起きると、話題になりますが一時の話題、スキャンダルとして終わってしまうことが多いように感じます」

こう指摘するのは、ハーバード大学医学部准教授で小児精神科医の内田舞さんだ。内田さんは、FRaUwebでも性加害問題や性被害が心に与えるPTSDの解説など、たびたび寄稿いただいている。そんな内田さんが、日本に蔓延る性加害問題から社会を考える新刊『ジェンダー・ジャスティス』(幻冬舎)を出版した。

「この本では実際に問題になった性加害事件で指摘された方の名前もあえて記しました。でも、事件そのものを詳細に記載して弾圧したいという意図はありません。それよりも社会として性暴力に対して向き合っていくのか、どう考えていくのか、ということを伝えたいと思ったのです」と内田さんは語る。

今回は、新刊から日本人が苦手な「同意」に関しての部分を抜粋し、4月1日、2日の2日間連続、4編でお伝えする。

※1:「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況について」警察庁
※2:『第5次男女共同参画基本計画・第5分野「女性に対するあらゆる暴力の根絶」に関する現状』内閣府男女参画局

以下より、内田さんの著書から抜粋。

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「同意」が争点として報じられる性加害

近年の芸能人による性加害の問題においては、「同意」が争点として報じられています。中居正広氏の問題においては、中居氏の代理人が「不同意によるものではなかった」と主張。松本人志氏の問題においても、「性加害を受けた」と主張している女性がホテルから出た後に送ったお礼のLINEの画像が報じられ、松本氏のフォロワーたちが「やっぱり性加害はなかった」「女性は当初は満足していたんだ」と、松本氏を支持していました。

その様子を見て、私は愕然としました。感謝の思いとトラウマが共存することもあれば、その後の仕事や私生活への影響を恐れて形だけのお礼をすることもある。「お礼をする」=「性加害はない」と考えることは、「同意」というプロセスが歪んで理解されてしまっている証であるように思えました。

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