医学部で経験した「男性優位社会」
私は北海道大学医学部在学中にアメリカの医師国家試験(USMLE)に合格し、6年次にアメリカの研修医採用制度に応募し、卒業と同時にイェール大学の精神科の研修医として、医師のキャリアをスタートしました。それから18年間、イェール大学とハーバード/マサチューセッツ総合病院の小児精神科医として働いております。日本を離れて20年近く経っておりますが、昨年から今年にかけて報道された日本における性加害事件のニュースを耳にし、私は日本にいた医学部時代に、私が女性として感じていたモヤモヤとした感覚を思い出しました。
私が医学部に入学したのは2001年でしたが、入学オリエンテーションで名簿を見て、学年の100人中女性が15人しかいかなかったのを見て、びっくりしたのをよく覚えています。私が現在准教授を務めるハーバード大学医学部の学生の6割が女性です。ちなみに2023年度の北海道大学医学科の男女比は、男性約77.5%、女性約22.5%で、今も約5分の1しか女性はいません。
医学部というのは卒業するまで本当に大変です。入学当初は入れば安泰かと思っていましたが、実際はそれは大間違いで、卒業するまでに「こんなに勉強しなきゃいけないの!?」と私も驚きました。そんな大変な学生生活では、支え合う医学部内の結束が大切にされているのは当然で、私も幸いとてもいい仲間に恵まれました。同級生の友人や、学年が前後の先輩や後輩には今もとても感謝しております。
しかし、そういった結束力の強い「内の世界」が大切にされた医学部で無意識に築かれてきた強制力と上下関係は、やはり男性が圧倒的にマジョリティの世界の特徴が表れていたと感じます。
医学部の部活の新入生勧誘の飲み会、そこでは後輩が先輩にお酒を飲むことを強要されたり、服を脱ぐような芸をさせられたり、そして飲み会の最後には男子医学生が風俗に連れていかれる様子も頻繁に目にしました。その翌日に同級生の男の子たちが「あの同級生が当たった子は○○だった」と前の晩の件で容姿を揶揄して笑いを取り合ったり、「あそこはこういう性的サービスをしてくれるからまた行きたい」などと、堂々と女子医学生の前でも話す姿は、不快でした。
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