「スマホに突然『+1 (877)』から始まる見知らぬ番号から着信があった…どこからの電話?」
「出てみたら、自動音声で『NTTファイナンスです。未納料金があり法的措置に移行します』と言われて焦っている」
こんな経験をして、不安な気持ちでこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えします。
「+1 877」など「1877」から始まる電話番号は、国際電話を悪用した詐欺である可能性が極めて高いです。
身に覚えのない着信であれば、絶対に出ない、そして折り返さないことが最も安全な対策です。
近年、このように実在する企業名(NTTファイナンスや警察など)をかたり、不安を煽って個人情報を聞き出したり、お金をだまし取ろうとしたりする「国際電話詐欺」が急増しています。
この記事では、読者の皆様がこれ以上不安な思いをせずに済むよう、「1877から始まる電話番号」の正体や、最新の詐欺手口、万が一電話に出てしまった場合の対処法、そして二度とかかってこないようにするための着信拒否設定まで、徹底的に分かりやすく解説します。
「1877」から始まる電話番号はどこから?正体は北米の国際電話
見慣れない「+1 877」や「1877」から始まる電話番号。日本の市外局番でも携帯電話の番号でもなく、気味が悪いですよね。
まずは、この番号が一体どこからかかってきているのか、その仕組みを紐解いていきましょう。
「+1」はアメリカ・カナダの国番号
電話番号の先頭についている「+」の記号は、国際電話であることを示しています。そして、その後に続く数字が「国番号(国コード)」です。
「+1」は、アメリカ合衆国およびカナダに割り当てられている国番号です。
つまり、「+1」から始まる着信があった時点で、それは日本国内からの電話ではなく、北米を経由した国際電話であるということが分かります。
日本の企業や官公庁が、日本の顧客に対してわざわざ海外の回線を使って電話をかけてくることは、通常あり得ません。この時点で、かなり怪しい電話だと警戒する必要があります。
「877」は北米のフリーダイヤル(着信課金番号)
それでは、国番号「+1」の後に続く「877」とは何でしょうか。
「877」は、アメリカやカナダで利用されている「トールフリー番号(着信課金番号)」の一つです。
日本でいうところの「0120」や「0800」から始まるフリーダイヤルと同じような仕組みで、本来は企業のお問い合わせ窓口などで使われるものです。北米では「800」「888」「877」「866」「855」「844」などがトールフリー番号として割り当てられています。
なぜ詐欺グループは海外の番号を使うのか?
「でも、どうしてわざわざアメリカのフリーダイヤルを使って詐欺の電話をかけてくるの?」と疑問に思いますよね。
その理由は主に2つあります。
- 足取りを掴まれにくくするため
日本の警察の捜査の手が及びにくい海外の回線やサーバーを経由することで、発信元を特定されるのを防ごうとしています。 - 簡単に番号を取得・偽装できるため
インターネット電話(VoIP)などの技術を使えば、海外にいなくても、あるいは日本国内にいても、「+1 877」のような番号を比較的簡単に取得したり、発信元の番号を偽装してかけることができてしまいます。
つまり、画面には「+1 877…」と表示されていても、実際にアメリカやカナダからかけてきているとは限らず、詐欺グループが身元を隠すために利用しているダミーの番号であるケースがほとんどなのです。
参考:【注意】「+1」から始まる電話番号はどこ?国際電話詐欺の手口と対処法を徹底解説(サクッと解説)
【要注意】「+1 877」を使った詐欺の最新手口
「1877」から始まる電話が怪しいことは分かりましたが、具体的にどのような手口で騙そうとしてくるのでしょうか。
現在急増している、代表的な詐欺の手口をご紹介します。
手口1:NTTファイナンスを装う自動音声詐欺
現在、最も報告が多く、被害も多発しているのが「NTTファイナンス」などの大手通信関連会社を騙る手口です。
電話に出ると、人間のオペレーターではなく、自動音声(ロボコール)が流れるのが特徴です。
内容は以下のようなものです。
「NTTファイナンスより重要なお知らせです。
現在ご利用中の電話回線にて未納料金が発生しているため、法的措置へ移行いたします。
詳しい内容を確認したい方、またはオペレーターへお繋ぎする場合は『1』を押してください」
「法的措置」「利用停止」「未納料金」といった強い言葉を使って相手を焦らせ、「1」番などのボタンを押すように誘導します。
もし指示通りにボタンを押してしまうと、今度は人間のオペレーター(詐欺師)につながり、「〇〇というサイトの未納金がある」「今日中に支払わないと裁判になる」などと言葉巧みに脅され、最終的には指定の口座にお金を振り込まされたり、電子マネーを買わされたりしてしまいます。
※NTTファイナンス公式も「国際電話番号から着信させることはない」と強く注意喚起しています。
本物の督促がいきなり海外番号の自動音声で来ることは絶対にありません。
参考:大手通信関連会社の名称をかたり、自動音声や国際電話番号等を用いて架空の利用料金請求を行う事業者に関する注意喚起(消費者庁)
手口2:警察や官公庁を名乗る「ニセ警察詐欺」
もう一つの恐ろしい手口が、警察官や厚生労働省などの公的機関の職員を名乗るパターンです。
この場合、「あなたの銀行口座が犯罪組織に利用されている」「マネーロンダリングの疑いがあるため、資産を保護する必要がある」「保険証の利用が停止される」などと言って不安を煽ります。
手口は非常に巧妙化しており、事前に漏洩した名簿などからターゲットのフルネームを把握した上で電話をかけてくることもあります。「なぜ自分の名前を知っているんだ?」と動揺してしまい、相手の話を信じ込んでしまうケースが後を絶ちません。
中には、SNSのビデオ通話に誘導し、偽物の警察手帳や逮捕状を見せつけて信用させる悪質なケースも報告されています。
参考:警察を名乗る電話は9割詐欺!偽警察官と本物との見分け方を比較表で解説【ニセ警察詐欺】(サクッと解説)
詐欺電話を見分ける3つのチェックポイント
これらの手口に騙されないために、詐欺電話を見抜くポイントを覚えておきましょう。
- 国際電話(「+1」「+44」など)からかかってきている
- 自動音声で番号の入力を求めてくる
- 「今日中」「2時間以内」「法的措置」など、短い期限を切って焦らせる
この3つのうち、どれか1つでも当てはまれば、詐欺を疑って間違いありません。
「+1 877」から着信があった場合の正しい対処法
もし、あなたのスマホに「+1 877」や見知らぬ国際電話番号から着信があったら、どのように行動すればよいのでしょうか。
状況別の正しい対処法を解説します。
着信に気づいたが、まだ出ていない場合
一番安全な対処法は、「絶対に出ない」そして「絶対に折り返さない」ことです。
「重要な電話かもしれない…」と不安になる気持ちは分かりますが、本当に重要な用件であれば、留守番電話に具体的な要件を残したり、後日書面で通知が来たりするはずです。
無視をして、着信履歴からそのまま「着信拒否」の設定をしてしまいましょう。
誤って折り返し電話をしてしまうと、高額な国際通話料金が発生してしまうリスクもあります。着信履歴をタップする際は、間違えて発信してしまわないよう慎重に操作してください。
電話に出てしまった場合
「うっかり電話に出てしまった!」という場合でも、焦る必要はありません。
相手が自動音声であっても、人間のオペレーターであっても、不審に感じた時点で「無言で電話を切る」のが正解です。
「間違えました」などの会話も不要です。電話に出ただけで、すぐに実害(お金を取られるなど)が発生することは稀ですが、「この番号は現在使われていて、電話に出る人物がいる」という情報を詐欺グループに与えてしまうことになります。
通話時間が長くなるほど、海外への通話料として高額な請求が来る可能性もゼロではないため、即座に通話を終了してください。
ガイダンスに従ってボタンを押してしまった・会話をしてしまった場合
もし、自動音声の指示に従って「1」を押してしまったり、オペレーターと会話をしてしまったりした場合は、より注意が必要です。
【名前や生年月日、住所などの個人情報を伝えてしまった場合】
今後、その情報を元にした新たな詐欺や、ダイレクトメールなどが届く可能性があります。より一層の警戒が必要です。
【口座情報やクレジットカード情報を伝えてしまった場合】
非常に危険な状態です。不正利用を防ぐため、今すぐ金融機関やクレジットカード会社に連絡し、カードの利用停止や口座の凍結手続きを行ってください。
【お金を振り込んでしまった、電子マネーの番号を教えてしまった場合】
すでに被害に遭ってしまった場合は、一人で抱え込まず、一刻も早く警察(#9110)や、消費生活センター(188)に相談してください。振り込んだ直後であれば、口座凍結などによりお金が返ってくる可能性も残されています。
いずれの場合も、いつ、どんな番号からかかってきて、どんなやり取りをしたのか、スマートフォンの着信履歴(スクリーンショット)やメモを残しておくことが重要です。
二度と悩まない!スマホの着信拒否・迷惑電話対策の設定方法
怪しい国際電話には出ないことが一番ですが、何度もかかってくると精神的なストレスになりますよね。
スマホの機能を使って、迷惑な電話をシャットアウトする設定を行いましょう。
iPhoneとAndroid、それぞれの代表的な設定方法をご紹介します。
iPhoneでの着信拒否設定
iPhoneの場合は、特定の番号を拒否する方法と、連絡先に登録されていない番号からの着信音を鳴らさない方法があります。
特定の番号を着信拒否する手順
- 「電話」アプリを開き、「履歴」タブをタップします。
- 着信拒否したい番号(例:+1 877…)の右側にある「i(インフォメーション)」マークをタップします。
- 画面の一番下にある「この発信者を着信拒否」をタップします。
- 確認画面が出るので「連絡先を着信拒否」をタップすれば設定完了です。
知らない番号(未登録番号)をまとめて消音にする手順
※この設定をすると、電話帳に登録されていない番号からの着信音は鳴らず、直接留守番電話に繋がるようになります。宅配便のドライバーなどからの電話にも気づきにくくなるため、ご自身のライフスタイルに合わせて設定してください。
- ホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- 下にスクロールして「アプリ」をタップし、一覧から「電話」を選択します。
- 「不明な発信者を消音」をタップします。
- スイッチを「オン(緑色)」にします。
Androidスマホでの着信拒否設定
Androidスマートフォンの場合は、機種やOSのバージョンによってメニューの名称が若干異なる場合がありますが、基本的な流れは同じです。
特定の番号を着信拒否する手順
- 「電話」アプリを開き、「履歴(または着信履歴)」タブを表示します。
- 着信拒否したい番号を長押しします。
- 表示されたメニューから「ブロックして迷惑電話として報告(または着信拒否)」をタップします。
- 確認のポップアップが出たら「ブロック」をタップして完了です。
知らない番号(不明な発信者)をブロックする手順
※非通知や、発信者番号が偽装されているような「不明な発信者」を一括でブロックする設定です。
- 「電話」アプリを開き、画面右上にある「︙(縦に3つの点)」マークをタップします。
- 「設定」を選択します。
- 「ブロック中の電話番号」をタップします。
- 「不明な発信者」の項目を見つけ、スイッチをオンにします。
参考:着信拒否の設定方法は?解除方法・非通知拒否も解説(楽天モバイル)
【固定電話向け】国際電話を丸ごとストップする「無償休止サービス」
スマートフォンだけでなく、ご自宅の実家の固定電話にも国際電話詐欺がかかってくるケースが急増しています。高齢のご家族が騙されてしまわないか心配ですよね。
実は、海外との電話のやり取りを普段全くしないのであれば、固定電話に対する国際電話の発着信を無償で休止できるサービスがあります。
それが「国際電話不取扱受付センター」での手続きです。
このサービスを利用すれば、そもそも海外からの着信を固定電話で受け付けなくすることができます。特殊詐欺の多くが海外経由であることを考えると、非常に強力な防犯対策となります。
比較表:スマホの対策 vs 固定電話の対策
| 対策方法 | 対象 | メリット | 注意点・デメリット |
|---|---|---|---|
| スマホの着信拒否機能 | スマートフォン | 特定のしつこい番号をピンポイントでブロックできる。 無料で簡単に設定可能。 |
番号を変えてかけ直されるとイタチごっこになる。 「不明な発信者消音」は必要な連絡も鳴らなくなる。 |
| 携帯会社のセキュリティパック | スマートフォン | 迷惑電話データベースに基づき、危険な番号を自動で警告・ブロックしてくれる。 | 多くの場合、月額数百円の有料オプションとなる。 |
| 国際電話不取扱受付センター | 固定電話 | 海外からの着信自体を元から絶つことができるため、強力な詐欺対策になる。 申し込み・利用料金は無料。 |
海外にいる家族や友人からの電話も受けられなくなる。(※本当に必要な国際通話も遮断される) |
国際電話不取扱受付センターの申し込み窓口
お申し込みは、電話または専用のWebサイトから可能です。費用は一切かかりません。
- 電話番号: 0120-210-364 (通話料無料)
- 受付時間: 平日 午前9時~午後5時(オペレーター対応)
※自動音声案内は24時間受付
ご実家の固定電話が狙われる前に、ぜひご家族で設定を検討してみてください。
まとめ:見知らぬ国際電話には「出ない・折り返さない」が鉄則
今回は、「+1 877」などの「1877から始まる電話番号」の正体と、その危険性について解説しました。
記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- 「1877」から始まる電話は、アメリカやカナダの国際電話を利用した詐欺の可能性が極大。
- 「NTTファイナンス」や「警察」を名乗り、自動音声で焦らせるのが最新の手口。
- 身に覚えのない着信には「絶対に出ない」「絶対に折り返さない」。
- 万が一出てしまっても、不審に思ったら無言で即座に切る。
- スマホの着信拒否設定や、固定電話の国際電話休止サービスを活用して自己防衛を。
詐欺グループは、あの手この手で私たちの不安を煽り、冷静な判断力を奪おうとしてきます。
「もしかして本当かも…」と少しでも不安を感じたら、相手の言う番号には絶対に連絡せず、企業の公式サイトで正規の問い合わせ先を調べたり、家族や警察に相談したりしてください。
正しい知識を持ち、怪しい電話はキッパリと遮断して、安心できる毎日を守りましょう。
参考:+1 877から始まる電話番号はどこから?出てしまった時のリスクと対処法を解説【詐欺・迷惑電話】(サクッと解説)