新NISAで人気の低コスト投資信託、総経費率で比較
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投資信託に長期で投資する際、気になるのが保有している間に発生し続けるコストだ。2024年1月に始まった新NISA(少額投資非課税制度)でも、信託報酬の低いインデックス型(指数連動型)の人気が高い。ただ、実際は信託報酬以外にもかかるコストがある。そこで、信託報酬にそれ以外の費用も含めた「総経費率」を調べてみた。
対象にしたのは、国内公募の追加型株式投信(上場投資信託=ETF、DC専用を除く)のうち、「米S&P500種株価指数」と「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する運用成果をめざす2種類のインデックス型(以下、S&P500型と全世界株型)。決算時に発行される運用報告書で総経費率を確認できたファンドについて、それぞれ総経費率が低い順にランキングした(調査は4月16日時点、各ファンドで直近の決算日やその対象期間は異なる)。
「S&P500型」の総経費率は最低が年0.10%で、最高が年0.68%(図1)。同じ指数に連動するインデックス型でも、ばらつきがあることがわかる。各ファンドを直近決算日の月末時点の信託報酬で単純比較すると、最低は年0.09372%(税込み)で「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「たわらノーロード S&P500」の2本が並んだが、総経費率はそれぞれ年0.11%、年0.13%とわずかながら差がついた。
この2ファンドの直近の運用報告書で総経費率の内訳(簡便法による算出)を見てみると、信託報酬はどちらも投信会社の取り分が年0.04%、販売会社が年0.04%、受託会社(信託銀行)が年0.02%で一致した。違いが出たのは「その他費用」で、前者は年0.01%、後者は年0.03%だった。このように信託報酬は同じで総経費率が違う場合や、信託報酬の低いファンドのほうが総経費率では高くなるケースもあるので注意したい。
図2には「全世界株型」のランキングを表示した。総経費率が年0.15%で最も低く、純資産総額(残高)が最も多いのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 」。これは調査時点で確認できた直近の運用報告書(決算基準日は23年4月25日)に開示された総経費率だが、「オルカン」はその後2回にわたり信託報酬を引き下げた。次の決算期分では引き下げ後の信託報酬が反映され、新しい総経費率が算出されることになる。
24年4月21日からは投信のコスト表示の細則が変わり、総経費率が目論見書にも記載されることになった。購入時に必ず配布する目論見書に明記することで、より実態に近い保有コストが投資家の目につきやすくなる。すでに複数の運用会社が一部のファンドで昨年から自主的に掲載を始めた。なお、総経費率を見る際には有価証券の売買委託手数料など一部費用が含まれないことや、信託報酬の引き下げなどにより決算期ごとに変動する可能性があることに留意する必要がある。
各ファンドの総経費率の違いはごくわずかに見えるかもしれないが、10年、20年と長期で投信を保有する場合はその運用リターンへの影響が侮れない。特に同じ指数に連動するファンドなら、コストが低いほうが基本的に有利になる。長期投資では購入時だけでなく、購入した後も最新の目論見書や運用報告書で保有コストを適宜確認するのが大切だ。
(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)
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(更新)- 井出真吾ニッセイ基礎研究所 研究理事 チーフ株式ストラテジストひとこと解説
長期投資家にとても有用な記事(ランキング)だと思います。たとえば経費率の差が年率0.1%でも20年間の累積では2%の差になるので、平均資産額が100万円の場合コスト差は2万円となります。この差を「大きい」と見るか、「大差ない」と見るかは人それぞれですが、これからNISA口座を開く人やiDeCoを始めようという人は、買いたいと思う投信を扱っている金融機関を探すことにも役立てることができます。 金融機関には厳しい話ですが、手数料引き下げの流れは続くでしょうから、既に投資している人も1年に1回くらいは、こうしたランキングをチェックすると良いでしょう。
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