昨日、国民投票法の改正案、つまり「憲法改正の方法を緩くする法案」が通った。来春に憲法改正の発議をするという報道もある。毎日毎日、やばい法律が通りまくっていて、批判を書くのも間に合わない。
最低限、これぐらいはやっておくかということで、特に国家の権力やシステムを大きく左右する法案に対する、各政党の賛否を表にまとめてみた。
| 国民投票法改正 | 皇室典範改正 | 国旗損壊罪 | 国家情報局法案 | 副首都法 | 個人情報法改正 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自民 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 維新 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 国民 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
| みらい | ○ | ○ | △ |
○ |
○ | ○ |
| 参政 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
| 中道 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
| 公明 | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
| 立憲 | ○ | × | × | × | × | × |
| れいわ | × | × | × | × | × | × |
| 共産 | × | × | × | × | × | × |
| 社民 | × | × | × | × | × | × |
| 沖縄 | × | × | × | × | × | × |
| 保守 | ○ | △ | ○ | ○ | × | △ |
厳密に言えば、同じ党の党員が全く同じ投票行動をするとは限らないのだが、同じ党の中で8割以上が賛成に入れていれば、ひとまず「○」としている。とりあえず、この表を見れば、「チームみらいに期待するのは止めた方が良い」ということはよく分かると思う*1。
言うまでもなく、私は全てに反対の立場である。問題点は説明し出すと終わらないのだが、一言だけ書いておく。
- 国民投票法改正
最低投票数の規定がなく、ごく少数の投票でも過半数あれば決まってしまう。広告規制もなく、資金源の大きい政党がきわめて有利である。そして現状の国政で有力な改憲勢力の案で進むと、基本的人権の尊重、武力の放棄などの項目が間違いなく後退する。(以前書いた記事も参照→「憲法九条は日本を守っている」と言えるのはなぜか) - 皇室典範改正
私はそもそも天皇制自体が無い方が良いという立場だけど、女性天皇をとにかく忌避する姿勢は単純に男女差別だ、と思う。 - 国旗損壊罪
表現の自由に真っ向から反する上に、「人に嫌悪感をもよおす」から罰してよい、という発想が通ることがひどすぎる。 - 国家情報局法案
これについてはブログで詳しく記事にしたことがある。→いつか捕まるかもしれないとリアルに思う
ちなみに、自衛隊がすでにこんな身辺調査を行っているという報道が出ていた。→【文書入手】陸自・現地情報隊が、市民の「愛国心」など思想調査/小泉防衛大臣に問う、どこが「不適切ではない」のか | Tansa - 副首都法
「維新の会」の党利党略のための法案であるとずっと指摘されている。付帯決議で「副首都指定を問う住民投票と地方選を同時実施しない」と同意されたのに、国会で通った30分後に維新の吉村は「同日選を目指す」と明言した。ひどすぎて衝撃を受ける。 - 個人情報法改正
個人の病歴や犯罪歴までもが、本人の同意なしに企業に提供可能になった。AIのデータや統計情報のためという目的が設定されているのだが、それなら個人名と紐づける必要はないはずだ。
どの法律も、議論が尽くされないまま爆速で決められてしまった。国会内で専門家による懸念が表明されている法案ばかりである。「選挙で勝ったのだから民意を反映している」と言う人もいるが、明確に公約に掲げられていなかった法案や、直近の世論調査で反対多数の法案もある。そもそも得票率で見ると自民は過半数を取っていない。
アベノミクス以来の円安は止まらず、ついに1ドル160円の時代である。ちょっと前には1ドル80円の時代もあったが、単純計算で輸入品にかかるコストが倍になっているわけで、そりゃあ値上げも止まらないわな。石破の時には最低時給1500円が掲げられていたのだが、高市はこれも撤回してしまった。
国家情報局は7/31から動き出し、国旗損壊罪は8/13から施行される。
本当にあっという間に、どんどん締め付けが厳しくなっていく。ふと冷静になって気が付くのだが、やろうと思えばこんなにあっという間にできるのだ。同性婚や夫婦別姓は「検討が尽くされていない」で延々先延ばしにされているのが理不尽にもほどがある。
最近、アメリカ軍とイスラエル軍の軍事技術・サプライチェーンを統合するという信じがたい法律が、米議会の下院を通過したらしい。このままでは、自衛隊の辿る未来も同じになるだろう(というのは甘くて、すでに米軍と自衛隊の関係は非常に深いものになっているのだが…)。
(棋客)
*1:なお、チームみらいは、「皇室典範改正」と「国旗損壊罪」には党の立場を明言せず、議員各々の投票に任せている。前者は賛成9名・反対1名・棄権1名。後者は賛成3名・反対9名。