大谷翔平“スイングスピード低下”の答え合わせ 元巨人監督・高橋由伸氏が指摘した大谷の変化
大谷の変化の行き着く答えは…
今年のスタンスの変化について大谷が説明したこととは?
【Photo by Caleb Bowlin/Getty Images】
「コンタクトポイントが下がっている。それが原因ではないか」
なるほど。Baseball Savantで取得したデータを元にそれを再現してみると、こうなった。
大谷の平均コンタクトポイント(2023~2026)
【参照:Baseball Savantのデータを元に筆者作成】
つまり今年は、スイングスピードがピークに達する前にコンタクトするケースが多く、結果として平均値が下がっているのでは、という仮説が成り立つ。それは、ボールを長く見ようという意識、つまり、やはりアプローチを変えたから、という推測を裏付けるものではあったが、もちろん、“他の何かを変えたから、結果的にそうなった”という可能性もある。
前回はそこまで辿り着き、そこから先は大谷に確認するしかない、ということになったが、それを聞こうとしていた10日、ドジャー・スタジアムで一緒に試合を見ていた高橋由伸氏(野球解説者、元巨人監督)が、大谷の打席を見ながら、こんな指摘をした。
「去年より、スタンスが狭くなってないですか?」
早速調べてみると、昨年と比べると、6インチ近く、構えたときの右足が捕手寄りになっていた。
スタンスの変化(2025年[赤]と2026年)
【参照:Baseball Savantのデータを元に筆者作成】
また、スタンスの幅そのものも確認すると、昨年は36.7インチで、今年は33.8インチだった。その差は2.9インチ(7.3センチ)で、それはコンタクトポイントの差と、ほぼ一致する。
左足の位置も微妙に異なるので、右足の差とスタンス幅の差は必ずしも一致せず、打つときに大きく踏み出すようになっているなら話は変わるが、そこまで変化はないので、右足が捕手寄りに下がり、スタンスが狭くなった結果、コンタクトポイントも後ろに下がったと考えられる。
となると、そもそもなぜ、スタンスを変えたのか? ということになる。
ということで10日の試合後は、コンタクトポイントではなく、その点を大谷に確認すると、スタンスが狭くなった、という指摘に頷き、その意図をこう説明した。
「それに関しては、全体の帳尻合わせ」
というと?
「スタンスを狭くすることで方向性が決まったりとか、(肩を)開くとどっちにいったりとかっていう、そこで合わせることもありますし。グリップの高さで合わせるときもあるので、その都度その都度変えるようにはしています」
しっくりとする構えを模索する中での変化。例えば今年、左投手と対戦するとき、昨年よりも右肩はクローズになっている。それによって体の方向が変わり、投手の見え方も変わってくる。全体の構えを、そうして微調整している。
スタンスそのものは、さらに調べてみると、エンゼルス時代の2023年とほぼ同じだった。そのときよりもコンタクトポイントが下がっているので、その差が、スイングスピードの差(77.4→74.8)となって表れているのでは? と解釈すれば、アドラー氏の指摘で説明がつく。
去年と今年の差については、捕手寄りに立つようになったことで、コンタクトポイントも下がったと考えられるので、スイングスピードが低下した理由としては説得力を欠くが、1マイル程度の差なので、そもそも明確な答えは存在しないのかもしれない。
結局は、構え。大谷の変化を辿ると、行き着くところは、やはり常にそこである。
(編集:スリーライト)