「尾道の皺を撮るんだ」 大林監督が遺作に起こした奇跡
聞き手・佐藤美鈴
広島市在住の門田大地さん(61)は、10日に亡くなった大林宣彦監督の最新作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」と20年前の「マヌケ先生」にプロデューサーとして携わった。「過去は変えられないけど、映画で未来は変えられる」。黒澤明監督から引き継いだ「映画の力で世界の戦争をなくそう」というメッセージを、映画祭や現場で、繰り返し発信していたという。
「再び尾道で」頼み続けたプロデューサー
一昨年夏にあった最新作の撮影では、広島県尾道市内で午前7時から深夜まで暑い中1カ月間、連日現場にいた。「君たちに伝えるから、よろしく頼むね」と駆けつけた映画人や出演する俳優たちに語り続けた。撮影中、大水害で尾道も水道が止まったが、「映画の力を信じて、世の中を平和にしよう」と予定通り撮影を続けた。スタジオでの撮影は東京でも撮れるものがあったと思うが、尾道にこだわった。それが奇跡を生んだ。どうしてこの体でこれだけ撮れるのか、不思議だった。
「海辺の映画館」の製作にあ…