ウクライナのゼレンスキー大統領が最近の内閣改造で国防相だったフェドロフ氏を解任した問題の余波が続いている。ゼレンスキー氏は23日、フェドロフ氏に新たな役職として「軍事イノベーション担当副首相」を提案したと公表。しかし、フェドロフ氏は同日、国防相を除く役職は受け入れないと明言した。ウクライナ軍の戦況改善を導き、国民から人気の高いフェドロフ氏の処遇を巡り、ゼレンスキー氏は苦しい立場に置かれている。
副首相ポストを提案
現地メディアによると、ゼレンスキー氏は23日の記者会見で、解任後のフェドロフ氏に複数の新たな役職を提案してきたと説明。最新の提案は大統領府と国防省、ウクライナ軍の調整を担う「軍事イノベーション担当副首相」だとした。国防相への再起用は考えていないとも説明した。
ゼレンスキー氏は今月中旬の内閣改造で、シルスキー軍総司令官(当時)との対立を理由にフェドロフ氏を解任。治安機関「ウクライナ保安局」(SBU)出身のフマラ氏を国防相代行に任命した。
ただ、フェドロフ氏は1月の国防相就任後、露軍の通信遮断や、ドローン(無人機)で露軍の補給網を絶つ「兵站(へいたん)封鎖」戦術を進め、ウクライナ軍の戦況を改善させた「立役者」とされる。このため、国内各地でフェドロフ氏の再起用とシルスキー氏の解任を求める大規模デモが発生。これを受け、ゼレンスキー氏はシルスキー氏を解任し、後任の軍総司令官にドラパティ少将を任命した。