杉並区長“再選直後に23日の長期休暇”が物議も…「果たすべきは“説明責任”だけ」元議員の弁護士が指摘するワケ
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批判の矛先はどこ? 休暇の否定が「支持基盤を広げよ」となる“矛盾”
では、危機管理や日常業務に関する体制整備以外に、岸本区長の長期休暇取得によって生じる問題とは、どのようなものなのか。 三葛弁護士は、現実に行われている批判が本質とずれていると指摘する。 三葛弁護士:「この時期の区長の『公務』として、式典・行事や地域へのイベントの出席、具体的には地域の夏祭りやイベント等への参加や、各種団体との意見交換等があります。 たとえば、ある区議は、『区職員の皆さんは優秀ですので、区長が在庁して居なくても、今の仕事は滞りなく回ります』とし、日常業務に問題がないことを明確に認めておきながら、『経済対策重視の方針を打ち出しつつも、区内経済団体との意見交換の機会を欠席する』といった批判をしています。 この批判はなかなか興味深いです。なぜなら、イベント等への参加は、広い意味で区長の公務ではありますが、同時に自身の支持基盤を拡大するための活動、いわば『票稼ぎ』につながる行動でもあるからです。 つまり、『公務への不参加』を理由に批判する人々は、最も本質的であるはずの危機管理上の問題点ではなく、『なぜ票稼ぎの活動をしないのか』『もっと地域を回って支持を固めろ』と岸本区長に促しているという構図になっているのです。 この観点からは、逆に、岸本区長の長期休暇の取得を擁護する人々が『支持基盤の拡大や票稼ぎの行動をしなくてもよい』と後押ししているという、ややねじれた状況が生じているとも言えます」
説明責任と「23日間」の妥当性
法的に問題がなく、危機管理体制も整えているとしても、政治家としての「説明責任」が残る。 まず、一部で「選挙前に長期休暇を取得すると公言しなかったのはアンフェアだ」との批判が見られる。 この点について、三葛弁護士は「むしろ選挙前から公言することのほうが問題」と一蹴する。 三葛弁護士:「そもそも、当選してもいない選挙期間中から、当選を前提として『当選したらすぐに長期休暇を取るので、十全に体制を準備する。職員はそれに備えておくように』などと公約するのは傲慢です。また、そんなことを言えば、それを聞いた区の職員たちは、早くから体制整備に着手せざるを得なくなります。 当選もしていないのに、なぜ区の職員を動かすようなことを言うのか、ということになります。それこそかえって公私混同であり、税金の不適切な使用だと批判されてしかるべきです。 したがって、選挙前に休暇取得について一切公言すべきではないし、その必要もなかったといえます」 最後に三葛弁護士は、今回の件で岸本区長が果たすべき説明責任と、長期休暇取得に伴う課題について、次のように提言する。 三葛弁護士:「法的に問題がないとしても、日本の慣行から見て23日間という休みは、やはり長いという印象は否めません。岸本区長には、なぜその期間が必要なのかを有権者に分かりやすく説明する政治的責任があります。 『次男のケアのため』というだけでは、それが23日間という長期にわたることへの十分な説明とはいえません。プライベートに関わることとはいえ、差し支えない範囲で、なぜ23日間休む必要があるのか、説明すべきだったといえます。 また、もし遠方で『次男のケア』をするとなれば、物理的に連絡が取りにくくなる事態も想定されます。その場合、2人いる副区長のどちらがどのような権限を持つのか、役割分担を区役所はもとより区民に対しても、より明確にしておくべきでしょう。 政治家の休み方は多様であって構いませんが、だからこそ、区民の不安を払拭するための丁寧な説明と、万全な危機管理体制の構築が、これまで以上に求められます」
弁護士JPニュース編集部
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