「犯罪に加担することになる」。恐怖と不安が入り交じりながら、必死に抵抗する姿が浮かんでくる。病気休職願と題された文書は、和歌山市職員だった男性が書き残していた。連なっていたのは、市役所内で繰り返されていた不正の告発だった。休職から復帰したものの、男性はその後、自ら命を絶った。28歳だった。
岩橋良浩さんは、両親、兄と姉がいる家庭で末っ子として生まれた。重い障害のある兄は寝たきりだったことから、母啓子さん(65)は「良浩にはなかなか、手を掛けられなかった」。
同志社大で労働法を学んだ後の2015年、和歌山市役所に入庁した。「守秘義務があるから」。仕事について両親に話すことは少なかったという。ただ、何度も口にしていた言葉がある。「市民の税金で働く。だから僕は市民のために働くんだ」
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