「公益通報」を問う

自治体編 告発対象との接触続く 「報復人事か」 市職員、心身限界に

和歌山市公正職務審査会の意見書には岩橋良浩さんが書いた病気休職願の内容が記されている=東京都内で2026年7月3日、古瀬弘治撮影
和歌山市公正職務審査会の意見書には岩橋良浩さんが書いた病気休職願の内容が記されている=東京都内で2026年7月3日、古瀬弘治撮影

 「犯罪に加担することになる」。恐怖と不安が入り交じりながら、必死に抵抗する姿が浮かんでくる。病気休職願と題された文書は、和歌山市職員だった男性が書き残していた。連なっていたのは、市役所内で繰り返されていた不正の告発だった。休職から復帰したものの、男性はその後、自ら命を絶った。28歳だった。

 岩橋良浩さんは、両親、兄と姉がいる家庭で末っ子として生まれた。重い障害のある兄は寝たきりだったことから、母啓子さん(65)は「良浩にはなかなか、手を掛けられなかった」。

 同志社大で労働法を学んだ後の2015年、和歌山市役所に入庁した。「守秘義務があるから」。仕事について両親に話すことは少なかったという。ただ、何度も口にしていた言葉がある。「市民の税金で働く。だから僕は市民のために働くんだ」

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