「よりによって巨人で…」小笠原慎之介に白星献上、それでも髙橋宏斗の投球に希望を見た
猛暑の7月、なかなか波に乗り切れない中日ドラゴンズ。19日の読売ジャイアンツ戦では、古巣相手に先発した小笠原慎之介に6回無失点と抑え込まれ、NPB復帰後初勝利を献上した。悔しさの残る敗戦から一夜明け、一軍のマウンドに戻ってきたのは髙橋宏斗だった。東京遠征で見えた悔しさと希望を振り返る。(文・チャッピー加藤) 【動画】巨人戦で見せた!福永裕基のジャンピングスローがこちら
猛暑の夏こそ、ドラゴンズの季節に
今年の夏も猛暑日や酷暑日が続くようで、暑さがハンパないが、竜党の皆さんはいかがお過ごしだろうか。私は先日、昼間にファームの試合を観に行ってマジで頭がボーッとなり、試合観戦を中断して日陰に避難したほどだ。熱中症にはくれぐれもご用心いただきたい。こまめな水分補給を忘れずに。 つくづく思うのは、夏はやっぱりドラゴンズが有利だ。なんたって空調の効いたドーム球場がホーム、というアドバンテージは大きい。「それを言ったら巨人と、8月は京セラドーム大阪を使う阪神も同じじゃないか」と言われそうだが、首都圏と関西圏の中間地点・名古屋に本拠地を置くドラゴンズは、他球団に比べて移動が格段にラクだ(広島と比べればよくわかる)。そう、恵まれているのである。 7月のドラゴンズは、22日現在で10勝9敗。3連勝したと思ったら直後に3連敗を喫したり、今ひとつ波に乗ることができないでいるが、ライバルチームの投手陣がヘタってくる夏には、そのアドバンテージを活かしてどんどん勝ってもらいたいものだ。快勝すれば気分は爽快。暑さを吹き飛ばす勝利でファンをスカッとさせてほしい。
小笠原慎之介に許した復帰初勝利
ところで9連戦のさなか、7月17日からドラゴンズは東京ドームで巨人と3連戦を行ったが、19日に行われた3戦目は「絶対“アイツ”には勝たせんぞ!」と息巻いているドラゴンズファンが大勢いた。巨人の予告先発投手・小笠原慎之介のことである。 ご存じの通り、小笠原は2015年、東海大相模高校時代に夏の甲子園で全国制覇を果たし、その年のドラフトでドラゴンズから1位指名を受け入団。2024年までの在籍9年間で161試合に登板して46勝65敗、防御率3.62。3年目の2018年には開幕投手も務めた。特筆すべきは、2021年から2024年まで4年連続で規定投球回に達したことで、勝ち数より負け数のほうが多いピッチャーだったが、ローテを休みなく回してくれる貴重な存在だった。 小笠原はかねてよりメジャー志向が高く、2024年オフにポスティングを申請してワシントン・ナショナルズと契約。しかし昨季、メジャーでは先発2試合を含む23試合に登板し、1勝1敗1ホールド、防御率6.98と結果を出せなかった。今季の開幕は2Aで迎えることになり、一時3Aに昇格したものの再び2Aに降格。メジャー再昇格は果たせず、日本球界復帰を決断したのだが、彼の行き先はドラゴンズではなく、先発のコマ不足に悩み、真っ先にオファーを出した巨人だった。 このことについて私個人の感想を言うと、ポスティングが成立した時点でドラゴンズは小笠原の保有権を放棄しており、対価として相応の譲渡金も得ている。だから彼が帰国後どの球団を選ぼうと自由だし、真っ先に好条件を提示した巨人に行ったのはプロとして当然だと思う。ドラゴンズは復帰を望むなら巨人以上の額を提示すればいい話で、しなかったのは「期待できる活躍に見合わない」と判断したからだ。その判断もまた自由である。 ただ、そんなことは理屈でわかっていても「よりによって巨人に行くのかよ……」と言いたくなる方々の気持ちは、ライデル・マルティネスの件もあるのでよくわかる。もし移籍先がDeNAやヤクルトだったら、こういう反発の声は起こらなかっただろう。 こういうときは、“帰国祝い”ということで小笠原にヒットを何本もお見舞いして、KOして差し上げればいいのである。それがプロ野球だ。ところが……ドラゴンズ打線は初回、小笠原の前に三者凡退。変化球主体の小笠原にうまくかわされ、3回までパーフェクトに抑えられてしまう。おいおい……。 4回、2死から福永裕基がようやく初安打を放ったが、続くミゲル・サノーが三振に倒れ無得点。5回には石川昂弥が死球→ジェイソン・ボスラーがヒットを放って無死一、三塁のチャンスを作ったが、木下拓哉がショートフライ、続く辻本倫太郎の一塁ライナーに一塁走者・ボスラーが戻れず併殺。6回も細川成也が2死からヒットを放ったが後が続かず、小笠原は6回(87球)、被安打3、奪三振6、無失点で降板。ドラゴンズ打線はKOどころか得点を奪うことすらできなかった。 ドラゴンズ先発・金丸夢斗も援護のない中で力投したが、5回、トレイ・キャベッジに先制打を浴び、7回にも2点を追加され降板。8回には中継ぎ陣が3点を許し、1-6で小笠原に復帰初勝利をプレゼントすることになってしまった。こういう“意地でも勝たねばならない試合”を何度も落としているのが、今季のドラゴンズである。申し訳ないがひとこと言わせていただこう。「情けないわ!」 一方、小笠原はみごとなピッチングで、観ていて「自分にはもう後がない」という覚悟を感じた。タフなピッチャーなので夏場、阪神と優勝争いをする上で貴重な戦力となるだろう。今後も“ドラゴンズ戦以外で”頑張ってもらいたいと思う。ドラゴンズ打線も、今度は黒星をプレゼントすべし。