三人が仲良くなった日
皆様のおかげで『ヒーローの逆襲』が100人突破いたしました!!
遅くなってしまいましたが本当にありがとうございます😭
これからもよろしくお願いします!!
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3人が仲良くなった日
(今日から三年生、最上級生として自覚を持って頑張らなくては!!)
そう意気込みながらクラス表を確認すると見知った人たちの名前がずらりと書かれてあった。
(えーと、俺は……A組か!)
「ちあき〜」
「奏汰!おはよう!」
「おはようございます〜♪ちあきは『なんくみ』でしたか〜?」
「俺はA組だ!奏汰は?」
「むぅ、ぼくは『びーぐみ』でしたぁ『はなれて』しまいましたね」
「そうだな……残念だ」
三年生こそは奏汰と同じクラスになりたいと思っていたが現実はそう甘くないらしく同じクラスにはなれなかった。
俺が少し気を落としていると少し向こう側にあくびをしながら登校している赤髪の男子生徒の姿が見え俺は走ってその人に近づいた。
「鬼龍!!おはよう!!」
「おぉ守沢か、相も変わらず朝から元気だな」
「もちろんだ!鬼龍は何組だ?」
「今から確認してくっからちょっとは待て」
しばらくしてから鬼龍が帰ってきて「B組だと」とポツリと呟き俺は真っ白になった。
「あかおにさんと『いっしょ』ですか〜♪」
「おう、一年間よろしくな」
二人の会話は全く耳に入ってこずずっと頭を抱えていた。
(え、え!?もしかしてクラス離れたのって俺だけ!?友達のいないクラスに俺だけ一人!?)
俺の心情が読み取れたのか鬼龍は苦笑しながら俺の頭にポンッと手を乗っけた
「テメィなら知り合いが居なくしても心配いらねぇよ」
「き、きりゅ〜〜そんなこと言わないでくれぇ〜」
「おいおい、最上級生になる男がそんな情けねぇ声出すなよ」
「うぅ……」
「ほら、さっさと教室行くぞ」
鬼龍の後をテボテボとついていきその途中に奏汰に「なかないでください」と頭を撫でられ続けた。
「じゃ、俺らはここだから」
「またあとであいましょうね〜♪」
「うぅ、また後でぇ」
手を少し振って俺はA組と書かれた表紙のある教室に入った。
席を確認すると少し後ろの方の席でそれに従い指定の席に座った。
「ちょっとぉ」
声がして上を向くと銀髪に青い瞳が似合うザ・美形の男子が不機嫌そうに話しかけてきた。
(綺麗な顔の人はどんな顔をしても似合うと言うがこの人怖いな!?)
「な、なんだ?」
「そこ、俺の席なんだけどぉ?」
「ん?うぇ!?嘘!?え!?」
「アンタの席はと・な・り!!
わかったらさっさと退いてくれない?チョーウザい」
「ご、ごめん」
羞恥半分恐怖半分で俺はノソノソと隣の机に移った。
(めっちゃ怖かったぁぁぁ)
隣の席をチラッと見ると彼と目が合い「何」と低い声で返され「ななななんでも!?」とまた前を向いた。
(やっぱり最初は気づかなかったけどあの子って最近口内で噂になってたKnightsの瀬名泉だよな!?同じクラス+隣の席!?)
「ねぇ」
「はい!?」
「別に隣の席になったからってアンタと馴れ合う気ないから」
「そう、か……」
一瞬でも「仲良くなれるじゃ?」と思った俺にとってはかなり厳しい言葉だった。
(確かに俺と瀬名じゃ釣り合わないか……)
わかっていたこととはいえ流石に本人からの言葉は重たい重荷を感じた。
しばらくして前の席にクリーム色の男子生徒がやってきた。
この人は後ろ姿でわかるほどの有名人なので思わずジーっと見つめてしまった。
「……あのさぁ、男にそんな熱い視線向けられるとかゲロゲロなんだけど?」
「え!?あ、ごめん……まさか羽風と同じクラスになるとは思ってなかったから」
「あれ?なんで俺の名前知ってるの?」
「羽風は有名人だからよく知ってるぞ!」
「あっそ、俺は全く君のこと知らないけどね〜」
「はは、俺は目立たないからな!」
「そんなドヤ顔して言うことじゃないけど……えーと、名前は?」
「守沢千秋だ☆」
「オッケー、じゃ一年間よろしくね守沢くん」
「うむ!」
それだけ言って羽風は向き直りスマホを弄り始めた。
(なんだろう……瀬名よりは話せたがなんだか距離を感じるような……)
どうしても羽風の笑い方がなんというか悪くいえば胡散臭いというか本当に笑っていないように感じるというか……うまく表現することができないがとにかく飽き飽きしているような感じがした。
「はぁ……」
新入生が入学して早一週間、今だに流星隊に新メンバーの申請書は一枚も来ていなかった。予想はしていたといえ現実化されると流石にくるものがあり思わずため息が漏れてしまった。
「……はぁ、隣でそんな辛気臭いしないでよねぇ」
「うぅ……Knightsはもう新一年生は来たのか?」
「まーねぇ」
「何!?アンデットは!?」
「えぇ、その話に俺を巻き込まないでよ〜
残念ながらアンデットには来てないなぁ〜」
羽風の言葉を聞いてホッとしていると「あっでも」と付け加えてきた。
「アンデットには来なかったけど軽音部に双子の子たちが入ってきたから朔間さんはかなり可愛がってるよ〜」
「双子……ということは二人も入ってきたのか!?」
「まぁそういうことかな?てか、流星隊ってまだ存続してたんだ」
「な!?失礼な!!立派に活動しているぞ!!」
「いや活動してるって言っても千秋くんだけでしょ?奏汰くんもずっと噴水で浮いてるし」
「それも、そうだが……
だからこそ!!新入生が最低三人は欲しいのだ!!」
「三人?現在0人なのに理想高すぎぃ」
「……五人揃わないと流星隊になれないのだ……」
「「??」」
「とにかく!!流星隊はちゃんと残っているからな!!もし尋ねられたら俺の元へ来るように言っていてくれ!!」
俺はそう意気込み教室を飛び出した。後ろからは「廊下を走るな!!」と蓮見の声が聞こえたがその声は虚しく俺は足を止めることなく走り続けた。
「……泉くん地雷踏んだんじゃなーい?」
「はぁ?別に間違ったこと言ってないんだけどぉ?てか、それを言うならかおくんだって踏んだんじゃないのぉ?」
「はは〜これで離れてくれたら助かるんだけどねぇ〜」
「本当それ」
〜瀬名泉〜
いつからだろう、守沢に毎日のように話しかけられるようになったのは。
最初はどうでも良かったし挨拶もイヤホンを付けてるフリをして聞き流していた。けれど段々と無視するの自体しょうもなく感じてきて普通に挨拶をするようになった。
「あの……瀬名……」
「……何?アンタがそんな深刻な顔して話しかけて来るなんてチョーウザいんだけどぉ?」
「その、聞いていいのかわからないのだが……」
「あーもう!はっきり言いなよねぇ!!」
いつもと違いすぎて思わずキツめに声を張り上げると守沢は何かを決意したように重たい口を開いた。
「——月永は元気にしているだろうか?」
「……なんでアンタがそんな事気にするわけぇ?」
「その、あまり学校に来ていないようだから……元気かなって」
「別にアイツとアンタに接点なんかなかったよねぇ?」
「うむ、全くない……けれど、同じ学年として心配はする!」
「はぁ、俺もレオくんとはあんまり連絡取れてないんだよねぇ……まぁ、三毛縞?って奴と意気投合したみたいで仲良くやってるみたいだけどぉ」
「三毛縞さんと!?」
「何?知り合い?」
「ま、まぁ……それなりに……でもそうか、少しづつ元気を取り戻せているんだな……」
あからさまにホッとした顔を浮かべるのでそれが気に食わなかった。
「で?マジでなんでそんな事聞いてきたわけぇ?レオくんに媚びでも売っといて曲作って貰おうって魂胆?」
よくある手口だ。人が傷ついた時近寄ってきて傷を塞いでやった気になってそれを恩として倍の見返りを求めようとする。それが人間の心理、別に守沢が特別と言うわけではない。それが『賢い人間の生き方』。否定する気もないし、罵るつもりもない。けれど俺は何処かでこいつの事をそんな奴ではないと思っていたのだ。
俺の心情も知らずに守沢は首を傾げながら頭にははてなマークが浮かんでいる。
「??なんで、と聞かれたらさっき言った通り純粋に心配だったと言うのが半分だ!」
「……残りの半分は?」
「それは……」
「何?はっきり言いなよ」
「……瀬名が心細そうに見えたから……」
「……はぁ!?誰が!!心細そうだってぇ!?」
「そっそういう風に怒るから言いたくなかったんだ!!
だって瀬名、ずっとスマホの通知を気にしてたから……Knightsの臨時リーダーも勤めていると聞いたし、疲れているんじゃないかって、心配で……人に話せば少しは軽くなるって聞いたから……」
「アンタねぇ!!ほんっとそういうところチョーウザいんだけどぉ!?」
「ご、ごめん……確かに無神経すぎた……」
「すまない」と頭を深く下げ謝罪するので自然とため息が出た。
「せ、瀬名?」
「……別に悪い気はしてないしそんなビクビクしなくてもいいよぉ」
「怒っていないのか?」
「怒る理由がないでしょぉ?」
「そうか……よかった!!これで親友の縁でも切られたらどうしよかと思ったぞ!」
「親友になった覚えはないんだけどぉ!?」
いつものうるさい守沢に戻り俺は飽き飽きしていた半分少し感謝の気持ちもあった。
〜羽風薫〜
守沢千秋という男は正直奇怪だ。
例えば困っている人を見れば『助けない』という選択肢はないし、自分の身を大切にしないし、何にでも全力だし、例をあげれば切りがない程不思議な人物なのだ。
最初は泉くんも嫌々という感じで付き合っていたのに今では完全に心を許しているようだし、多分人を虜にする力も持っているのだろう。
「羽風?どうしたそんな暗い顔して」
「んー?何でも?千秋くんには関係ないから〜」
「そうなのか?」
「……千秋くんって困ってる人がいたら助けてくれるの?絶対に?」
「??もちろんだ!俺の持ちいる力全てを懸けて叶えて見せるぞ☆」
「ふーん……奏汰くんでもできないのに千秋くんにできるの?」
その日の俺は多分むしゃくしゃしてた。だから直向きに頑張る彼を見てイラッときてしまったのだろう。
隣にいた泉くんが「ちょっと」と少し強めに停止の言葉を掛けるが俺には聞こえずそのまま続けた。
「『何でも叶える』とか軽々と言うものじゃないよ?天才の奏汰くんにできなかった事が千秋くんにできるとは思えないけどな〜」
「……それもそうだな!安易に発言してしまってすまなかった!」
俯いていた顔を上げ笑顔で手を振りながら教室を飛び出した後ろ姿を見て「何あれ……」とボソッと呟くと泉くんがため息を漏らした。
「アンタ、何が気に食わないのか知らないけど八つ当たりもいい加減にしなよねぇ」
「八つ当たり?俺が?」
「アンタ以外に誰がいんのぉ?守沢は馬鹿だけど馬鹿じゃないんだよ?」
「は?何それ?」
「アンタが思っている何倍もアイツは考えてるってことぉ」
瀬名くんはダルそうに自分の席に着いた。
その時の俺は何を言っているのか理解できなかった。
そんなことも忘れて暫く経った頃、『流星隊に新入生が三人入ってくれた!!』と大騒ぎしている千秋くんを横目で見ていた。彼の目はいつに無くキラキラしていて見ていて微笑ましかった。けれどよく顔を見れば目の下に隈ができていることに気がついた。
「千秋くん最近寝れてる?」
「え?あぁ、少し睡眠時間を削ってはいるな!」
「えぇ……ちゃんと寝たよ」
「そんな甘えた事言ってられん!!後輩たちもできたんだ!俺は天才じゃないからせてめ努力は惜しみたくないんだ!」
その言葉にあの日の出来事が頭をよぎった。俺は忘れていたことでも千秋くんにとっては忘れ難い言葉だっただろう。
「千秋くん……俺あの時むしゃくしゃしてて……ごめん」
「??あの時のことなら気にしてないぞ?」
「いやいや……百パー気にしてるでしょ」
「いや!確かに少しくるものはあったがそれは図星だったからだ!お前が気に病む必要なんてないぞ!」
「……あのさ、意地悪言うとかじゃなくて純粋に気になってること聞くけど、なんで千秋くんはそこまで頑張れるの?」
「どうして?うーん……どうしてもヒーローになりたいから?」
「なんで疑問系なの!?」
「面と向かって『何故?』と聞かれたらよくわからなくなってしまったのだ!でも、そうだな……奏汰が近くにいてくれるからじゃないか?」
「……え?逆じゃないの?奏汰くんがいるから辛くなるんじゃないの?」
「??それこそよくわからないぞ
奏汰がいてくれたから俺は流星レッドになれた!奏汰がいてくれたからこれからも頑張れる!全部奏汰あってこそだ!」
「!」
「仲間が重荷に感じることなんてない!それはもうリーダー失格だからな!」
「……あー、わかった、なるほどね」
その言葉を聞いて俺はやっと悟ることができた。
彼を突き動かすものは持ち前の真面目、そしてずば抜けた責任感、それが彼を支える支柱なのだ。
だが、今はそれがうまくいっていてもいずれかそれは彼を潰してしまう重圧になってしまうのではないか?知らず知らずのうちに自分の首を絞めているんじゃないか?
(あー、男なんてどうでもいいとか思ってたはずのになぁ)
「ん?何がなるほどなんだ?」
首を傾げる千秋くんにデコピンをして「何でもないよ〜——もりっち」と言って笑っているともりっちは口をパクパクとしながら驚きが隠せないでいた。
その顔がまた面白く思わず吹き出してしまった。
三人でつるむようになって何ヶ月か経った時、ある日もりっちが休んだ日があった。その日は騒がしい奴がいなくて俺ら二人は愚か教室全体が静かな一日だった。
「今日この後一緒にもりっちのお見舞い行かな〜い?」
「はぁ?何でそんな面倒な事しないといけないわけぇ?」
「えぇ?心配じゃない?あんまり休まないもりっちが休むなんて」
「……アイツの家知ってるわけぇ?」
「さっきライン送ったら住所送ってくれたよ?」
「はぁ……かおくんがどうしてもって言うから行くんだからねぇ」
せなっちは正直じゃないけれどとても優しい
例えばもりっちが怪我をすれば一番早く絆創膏や消毒液を取り出して手当てしてくれるし、俺が髪のクセが酷いと愚痴ればおすすめのヘアーオイルをくれたりと面倒見もいいし優しい。
「何ニヤニヤしてるのぉ?気色悪い」
「えぇ?酷くなーい?」
「——今日守沢休みらしいぜ!」
「は?それがどうしたんだよ?w」
「いやぁ、昨日雨酷かったじゃん?そん時たまたま見たんだけどさ、アイツ老人に傘渡してびしょ濡れで帰ってんの!偽善も程々にしろって感じだよなぁw」
その会話が廊下から聞こえ俺の機嫌が一気に悪くなるのがわかった。
(あー、無視無視、こう言うのは対処しないのが一番いいんだから)
そう自分に言い聞かせ気持ちを落ち着かせるためにスマホを取り出し意味もなく弄る。だが、彼らはそんな事気にもせずにくだらない会話を続けた。
「てか、アイツ何頑張ってんだろ?w
流星隊なんかに一年生が入るわけねぇのになw」
「それが入ったらしいぜ〜w
まぁ、半端無理やりらしいけどw」
「うわっ、最低だなw」
「ヒーローとか気取ったこと言ってるけど要するに自己満足だろ?人巻き込むなって感じだよなw」
「——チョーウザい
アンタらにアイツの何がわかるって言うわけぇ?」
「……え?」
「せなっち?」
この中で予想もしなかった人物が声を上げたことによってその場にいた俺たちは凍りついた。そんな俺たちを他所にせなっちは続けて言葉を繋ぬぐ
「アンタらみたいな流されてるやつと違ってアイツはずっと足掻いてきたんだよ、アイツの努力も苦労も知らない奴が知ったようなこと言わないでよねぇ」
言いたいことが言い終わったのかせなっちは携帯を取り出し弄り出した。
その行動はおそらく照れ隠しなんだろうと思うと先ほどまでのイライラはどこかへ行き不思議と笑みが溢れた。
「あっはは!!せなっちはやっぱりせなっちだね!!」
「はぁ?何それ……」
「「——で?まだうちのヒーローに何か文句でも?」」
「「い、いえ……」」
「瀬名!羽風!聞いてくれ!!」
いつも通り彼は元気そうに俺らに話しかけて来る。
こんな楽しい一年を過ごせるのは守沢千秋が、ヒーローがいてくれたからだ。
ーあとがきー
『ヒーローの逆襲』のすき!が100人突破して嬉しいちっくるです!!
もう、本当に、、、始めた当初は『50人いったら嬉しいなぁ〜』程度に思っていたのがいつの間にか100人を超える方々に気に入っていただけたことが本当に嬉しくて嬉しくて、、、ありがとうございます!!
さて!今回は3Aトリオについて書かせてもらいました!
私結構3Aトリオ好きなんでよ〜!!
友達が瀬名先輩が大好きでそれに感化されて瀬名先輩を意識的に見てみると本当に優しいですよね!!ちょっとツンデレ気味なのがたまりません!!
薫くんも同様なんやかんや言って二人のこと友達だと認識してるのが大好きです!!
これからも頑張るのでよろしくお願いします!