不透明な代表監督の選考過程 W杯検証反映せず、技術委は「形骸化」
サッカーワールドカップ(W杯)の戦いを終え、注目されていた日本代表監督の行方は、森保一監督が異例となる約半年の短期契約でつなぎ、アジアカップ後はU21代表の大岩剛監督が引き継ぐことになった。
今回の人事は、日本協会の宮本恒靖会長主導で行われた。議論やプロセスが不透明だったという印象がぬぐえない。
男子代表監督の選考は、会長、技術委員長、会長が指名する助言者による「3者」で候補者を一本化し、理事会の承認をもって正式に決める。日本協会が2018年に内規で定めたものだ。
18年ロシア大会の前に、協会は当時のハリルホジッチ監督を解任し、訴訟問題に発展した。当時は監督の選任、解任にルールがなかったことから、教訓として明確な手続きを定めた経緯があった。
外国人監督を模索した宮本会長
しかし、複数の関係者によると、宮本会長は今年に入ってから協会関係者を欧州に派遣し、外国人監督の招聘(しょうへい)を模索していたという。だが、予算や条件などが折り合わず、W杯開幕前の段階で日本人監督路線の継続にかじを切った模様だ。そして、森保監督と大岩監督へのアプローチを水面下で進めた。
その間、国際大会の結果や内容を元に、強化方針を議論する技術委員会や強化部会では、一連の決定について、議論も報告もなかったという。ある技術委員は「監督人事は上が決めるから、この場では議論しない、と言われた。技術委は形骸化していた」とこぼす。W杯の検証が反映された形跡がないまま、会長らが人選を進めたことになる。
日本サッカーの「顔」である代表監督の決め方として適切だろうか。
200億円を超える日本協会の収入を支えているのは、稼ぎ頭である男子日本代表だ。代表の勝敗は、サッカー界の普及にも影響を与える。また、収入の柱のひとつは、子どもからシニアまで広く集金する登録料だ。協会が好んで使う「サッカーファミリー」への説明責任も求められる。
今回のW杯北中米大会の日本戦も、平日午前に行われたグループリーグ最終戦のスウェーデン戦で平均視聴率35%を記録するなど国民的な関心事となった。
それだけの責任を背負う代表監督を選ぶのに、協会のガバナンス(組織統治)は機能しているのか。23日の理事会では、監督人事に対する情報の共有などについて質問が出たという。より説明責任を伴った選考方法へ、日本協会もアップデートする必要がある。
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