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「公益通報」を問う

「犯罪に加担することに…」 抵抗した28歳、配慮足りぬ職場

 
 

 「犯罪に加担することになる」

 恐怖と不安が入り交じりながら、必死に抵抗する姿が浮かんでくる。

 病気休職願と題された文書は、和歌山市職員だった男性が書き残していた。連なっていたのは、市役所内で繰り返されていた不正の告発だった。

 休職から復帰したものの、男性はその後、自ら命を絶った。28歳だった。

「市民のために働くんだ」

 岩橋良浩さんは、両親、兄と姉がいる家庭で末っ子として生まれた。重い障害のある兄は寝たきりだったことから、母啓子さん(65)は「良浩にはなかなか、手を掛けられなかった」と振り返る。

 それでも、責任感と正義感が強く、そしてやさしい大人になっていった。

 同志社大で労働法を学んだ後の2015年、和歌山市役所に入庁した。「守秘義務があるから」。仕事について両親に話すことは少なかったという。

 ただ、何度も口にしていた言葉がある。

 「市民の税金で働く。だから僕は市民のために働くんだ」

 息子の部屋に残されていた休職願。啓子さんは「告発なんて、これを見るまで知らなかった」と語る。良浩さんが仕事に打ち込む中で、どうしても見逃せない不正があった。

人事的な報復恐れ

 <補助金申請書類の作成・申請は、極めて違法性が高いです。なぜなら子ども会が補助金を得るために、架空の活動をしているように書類を捏造(ねつぞう)し補助金を不正受給しているからです>

 18年6月1日付の休職願にはこうつづられていた。当時、青少年課に配属され、市内の児童館で働いていた良浩さん。児童館を拠点とする「子ども会」の不正とともに、市で長年続いた同和行政についての告発だった。

 文面は続く。

 休職願で不正を告発した良浩さん。復職後の職場で何があったのでしょうか。その詳細は記事の後半で

 <行…

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