「事務局長のパワハラ」で揺れる「世界最大の人権NGO」で何が起きたのか…実名告発した女性職員が明かす“恐怖の罵声”と“別の犠牲者”
■身近な人に手を差し伸べることも「人権活動」 国際社会にも影響力をもつ人権NGOで、なぜ職員への人権侵害が放置されたのか。組合員として大福さんの相談に乗り、支えてきた福田友美さん(41)は、理事会に抱いてきた違和感を吐露する。 「人権活動家として長いキャリアをもつ理事のなかには、『非営利団体であるアムネスティ職員が、民間企業の社員のように労働者の権利を主張するのはおかしい』と公言する人もいます。崇高な理想を掲げ、壮大な人権問題に目を向けるあまり、身内である職員の権利を無視し、多少の我慢は当然とみなす姿勢はおかしいと思います」 大福さんは現在も心身の回復に至っておらず、外出もままならない日々が続いている。いまだA氏からの謝罪はなく、処遇が「解雇」ではなく「解任」である以上、職場復帰すれば再び接触するかもしれないという恐怖はぬぐえない。一方で、必死に声を上げ続けた末にハラスメントが認められたことには、「一つの役割を終えた」「ようやく休める気がする」と安堵している。 「私が今生きているのは、家族、友人、同僚など、さまざまな方が支えてくれたからです。身近な人が困っているときに手を差し伸べることは、寄付をしたりデモに参加したりすることと同じくらい立派で尊い人権活動だと改めて思いました」 足元の人権侵害に対応できなかったアムネスティ日本は、今後どう生まれ変わるのか。その行く末を、大福さんや、連帯する大勢の人々が注視している。 (AERA編集部・大谷百合絵)
大谷百合絵