《2000万円カツアゲ》“福岡県政のドン”蔵内勇夫・県議会議長に新疑惑 400億円をかけて地元に整備した県営公園の管理業者に身内企業
身内が公園の管理者
冒頭の筑後広域公園に足を運ぶと、連休初日なのにスケボー場は利用者ゼロ。本格的なBMXコースも4人の小学生だけだった。なのに、管理料だけで年間4.9億円に上る。指定管理者として県が協定書を結んだ相手は「筑後広域公園振興事業団」なるグループだ。 グループを構成する5社を調べていくと、興味深い事実に突き当たった。そのうちの1社、「アシスト九州」の代表取締役のA氏は、蔵内事務所の元秘書で、現在も事務所顧問。しかも筑後市内にある会社の住所の土地建物登記を見ると、山口姓の人物の相続人と申し出ている1人が「蔵内勇夫」だと記されている。蔵内は、福岡選出の国会議員であった蔵内修治の姪と結婚し、蔵内家に婿入りして政界への足がかりとしたが、それ以前の旧姓が「山口」だ。 蔵内が推進した県事業で、蔵内の身内企業が収入を得ることに利益相反はないのか。A氏に質問状を送った上で電話で直撃すると、「そこ(=会社所在地)は山口氏が持っているはずですよ」と答えた。しかし、登記に蔵内の名前があることを伝えると、「確認します」と述べてA氏は電話を切った。 要するに、蔵内が婿入り前の実家の親族名義を"カモフラージュ"として利用していた可能性がある。実質的な経営者も、蔵内自身だったのではないか。 蔵内事務所は「当事務所に対する放火予告事件が発生し、期限までに回答するのが困難です」と回答。 また、指定管理者の選定について福岡県庁は、「選定の公平性を確保するため、外部有識者で構成する委員会において、適正に事業者の選定を行っています」(建築都市部公園街路課)と答えた。 誰も逆らえない権力は、誰からのチェックや監視も受けないという過信を誘発する。これが氷山の一角ならば、一強体制の崩壊は案外早い可能性もある。 * * * 7月24日発売の『週刊ポスト』では、福岡県政をめぐる一連の問題についての広野氏の追及ルポを掲載している。新たな疑惑に加え、金銭授受問題の告発者の肉声や蔵内氏がいかにして権力基盤を築き上げたかについて詳報している。 【プロフィール】広野真嗣(ひろの・しんじ)/ノンフィクション作家。神戸新聞記者、猪瀬直樹事務所スタッフを経て、フリーに。2017年、『消された信仰』(小学館文庫)で小学館ノンフィクション大賞受賞。近著に『奔流 コロナ「専門家」はなぜ消されたのか』(講談社)。
【関連記事】
- 【写真】県営公園のモニュメントの除幕式 蔵内勇夫氏に向けて拍手を送る服部誠太郎・福岡県知事
- 《世耕弘成氏vs鶴保庸介氏の和歌山戦争が勃発》世耕氏の自民党復党の是非で燃え上がる“新たな抗争” 犬猿の仲だが「自信家の性格もそっくり。陰口を叩き合っている」
- 《高市首相の経歴疑惑》米国時代の“上司”が証言「彼女はデンバー事務所のインターンだと認識していたが、厳密に言えばフェローだった」
- 高市事務所周辺で展開される「サナエビジネス」の構造 総裁選や宣伝活動で貢献した会社がサナ活グッズビジネスに深く関与
- 茂木敏充・外相が自民党差総裁選ですがった有力団体「ちんたい協会」に党員水増し・代理投票疑惑“幽霊党員の票がまとめて茂木氏に流れていた”