村上春樹の3年ぶりの長編小説となる『夏帆-The Tale of KAHO-』(新潮社)が今月3日に刊行された。最大の注目点は、村上が長編小説で初めて女性単独の主人公を書いたことだろう。
主人公は26歳の絵本作家
今作の主人公は26歳の絵本作家の夏帆。実家を出て東京・足立区のアパートで一人暮らしをしていたが、ブラジルのジャングルから来たありくいに導かれ、武蔵境の一軒家へと引っ越す。夏帆は母親の身体を乗っ取ったシロアリの女王を殺す決意を固め、同時に家族に捨てられた女の子のミソラを主人公にした絵本を描き進めていく。
村上は朝日新聞のインタビュー(今月3日付朝刊)で、執筆前に米国の名門女子大学であるウェルズリー大に滞在したと明かし、「いま女性の視点がすごく重要視されているし、そういう空気を吸ったことも、今回の『夏帆』に影響したと思う」と語っている。