房州に夏を告げる沿岸小型捕鯨漁が始まっている。南房総市和田地区の和田漁港で22日、今季2頭目となるツチクジラ1頭が水揚げされた。
同地区は、全国に4カ所しかない沿岸捕鯨基地のうちの一つ。今年は、7月上旬の台風などによる海況悪化などで、1週間程度操業開始が遅れたものの、14日に今年の初漁となる1頭目を捕獲している。
22日に水揚げされた2頭目のツチクジラは、体長10・00メートル、胴回り2・25メートルの雌。21日午後5時45分ごろに、銚子沖25マイル(約40キロ)で、和田地区の外房捕鯨株式会社の第51純友丸が捕獲した。
船で同漁港に運びながら、約16時間かけて海中で熟成させて肉を柔らかくし、22日午前9時ごろに同漁港の処理場に引き揚げられ、同社により解体された。
処理場周辺では、地域住民や「南房総学」でクジラについて学んでいる嶺南小学校5年生40人が解体を見学。解剖員らは刃渡り約30センチ、全長約2メートルのなぎなたのような刃物を使って、ヒレなどを切り取り、皮をワイヤで引っ張りながら切り離したり、赤身を手際良く切り分けたりしていた。
同社によると、房総沖でのクジラの発見頭数減少などにより、捕獲数は2020年以降9頭前後となっており、昨年は5頭を捕獲。今年のツチクジラの太平洋捕獲枠は31頭だが、近年の捕獲状況などから、2隻体制で行っていた同地区でのツチクジラ漁に1隻、北海道・釧路沖のミンククジラ漁に1隻と2カ所での操業になっているという。
解体作業を見学した嶺南小の篠原奏希さんは「いつも給食でおいしく食べている竜田揚げのクジラがどうやって解体されているのか分かった。残さず食べようと思った」と感想。鈴木唯比さんは「解体に使う道具を初めて見られて良かった。給食で出るクジラ料理を大切に食べようと思った」と話していた。
クジラは、加工食品として店頭に並ぶほか、安房地域では切り分けられた生肉が販売される。
(清水利浩)
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