エロ広告規制法案について多くのご意見をいただいております。
法案の趣旨は、子ども達が意図しない形で目に触れるインターネット広告に含まれる青少年有害情報への対応です。
現行の「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年インターネット環境整備法)においては、特定サーバー管理者に対し、青少年閲覧防止措置の実施(21条・23条)や、連絡受付体制の整備(22条)について努力義務を課しているところですが、昨今のインターネット広告流通における大規模プラットフォーム事業者が果たしている役割の大きさを鑑み、こうした事業者に対しても、インターネット広告に含まれる青少年有害情報への対応について、一定の義務付けをしようとするものです。
規律の対象となるのは「広告媒体及び広告仲介事業を行っている大規模プラットフォーム事業者」で、目的は「適切な広告流通を行っていただくこと」になります。
まず私が、「エロ広告に特化した内容」と説明した点についてお詫びしなければなりません。条文上は「青少年有害情報」であるため、これは誤った表現でした。
現在、青少年インターネット環境整備法2条4項において「青少年有害情報」として例示されているもののうち、「犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引する情報」(同項1号)」及び「殺人、処刑、虐待等の場面の陰惨な描写その他の著しく残虐な内容の情報」(同項3号)に該当するようなインターネット広告は限られている一方、「人の性行為又は性器等のわいせつな描写その他の著しく性欲を興奮させ又は刺激する情報」(同項2号)に該当するような広告は、子ども向けのサイトにおいても頻繁に見られることから、実際には「エロ広告を念頭においた内容」という説明が正確です。伏してお詫び申し上げます。
次に23条の7(青少年有害情報に準ずる情報についての大規模デジタルプラットフォーム提供者の努力義務)についてですが、ご懸念の多くが「準ずる程度」に定義も例示も省令委任もないことで対象が無限定に広がってしまうのでは?というものでした。
青少年インターネット環境整備法2条3項の「青少年有害情報」の定義は、表現の自由に配慮した抑制的なものであり、それに「準ずる程度」では無限定に広がるおそれはなく、当然、自由な表現活動が不当に制限されることがないよう留意するのは当然のことです。
逆に、どういう情報であるかを法文で詳細かつ網羅的に書いたり、省令委任したりすることは、青少年インターネット環境整備法の逐条解説『本項の定義も、規制対象たる「青少年有害情報」の範囲を画定する具体的な基準を示すことをねらいとするものではなく、民間の主体に基本的な指針を示そうとするものにすぎない。「青少年有害情報」の範囲を画定する具体的な基準の策定は、そうした民間の主体の自主的・自律的な取組に委ねられる』(平成30年1月 内閣府/総務省/経済産業省)とする現行法の要請に整合しないのではないかと考えました。
(現行法の7条には連携協力体制の整備について規定されており、大規模デジタルプラットフォーム提供者が行政側と連携協力を図りながら措置を講じていくことも考えられるところです。)
加えて、広告主(広告制作者)が委縮するのではないか?というご指摘もありましたが、「準ずる程度」の個別の判断に関しても大規模デジタルプラットフォーム提供者に委ね、「業界による自主規制」が前進することを希求する本法案を「委縮」とされるのであれば、そのご批判は甘んじて受けねばなりません。
青少年インターネット環境整備法の逐条解説には、『ただし、本法は、表現の自由に配慮するため、国は民間の自主的かつ主体的な取組を尊重することとしており(第3条第3項)、「青少年有害情報」について行政権限を発動する規定はなく、政府や主務官庁が個別にその該当性を判断することはない。したがって、具体的にどのような情報が「青少年有害情報」に該当するか判断するのは、あくまで関係事業者、保護者等の民間の主体であり、本項の定義も、規制対象たる「青少年有害情報」の範囲を画定する具体的な基準を示すことをねらいとするものではなく、民間の主体に基本的な指針を示そうとするものにすぎない。「青少年有害情報」の範囲を画定する具体的な基準の策定は、そうした民間の主体の自主的・自律的な取組に委ねられることとなる。(第2条の解説三の2)』とあります。(続く)
7月15日(水)青少年インターネット環境整備法改正案を参議院に提出しました。同法にはこれまで“広告”に関する規定がなかったことから今回はエロ広告に特化した内容の実定法です。
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