【緊急事態の虎】1999年 大爆笑! 偽サッチー、春季キャンプ乱入し暴走連発

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に、似てる! ダチョウ倶楽部・上島竜兵(中)の変装に最初、誰もがだまされた(右は肥後克広、左は寺門ジモン)

 「乱入」と書くと何やら不穏だが、今回は超笑える「乱入」を紹介したい。1999年の春季キャンプ3日目。やってきたのは野村監督夫人…ではなく、ソックリさん。「偽サッチー乱入事件」の顛末(てんまつ)とは-。

 「あれ、サッチーと違うか?」

 「あっ、ホンマですね。きょう、来る予定でしたっけ?」

 安芸市営球場のバックネット裏。トラ番記者がざわついた。あの茶髪、あのメガネ。そばにはテレビの収録カメラ。スタッフも数人。何かの番組か。スタンドのファンにお辞儀している。

 「主人がお世話になっております」

 「風邪なんかひいてしまいまして。ご迷惑をおかけしております」

 その前日、野村監督は風邪と高熱で練習を休んだ。この日から現場復帰。見舞いとおわびを兼ねてやってきたのか。

 新監督に野村克也を迎えて、生まれ変わろうとしているタイガースをみんなワクワクしていたとき。なんでも記事になる。当時の監督夫人はテレビで大人気のスター。ノムさんとキャンプ地ご対面は最高のネタだ…と準備に入った。

 が、どうも変。何かおかしい。やがて報告が入る。

 「違いました。ニセモノです。ダチョウ倶楽部の上島竜兵の変装です」

 一同、大爆笑。これだけなら、許せるジョークだっただろう。

 ところが、偽サッチーは暴走を開始する。カメラマンしか入れないバックネット裏のエリアに乱入。ちょうどフリー打撃中だった選手に向かって…。

 「新庄、野球をしっかりやりなさい!」

 「今岡ァ、もっと練習しなさい。頼むわよ!」

 「和田ァ、うちの亭主の名誉がかかってるのよ。打ちなさい!」

 サッチーならでは!? の横柄な口調で話しかけ始めた。球団も最初は「スタンドでなら、まあいいだろう」と容認の姿勢だったが、事ここに至って大激怒。即刻退去指令が出た。アポなし突撃収録を試みた某テレビ局に厳重注意が与えられたのは言うまでもない。

 この年は、空前のノムさんフィーバー。キャンプ地にはファンが大挙詰めかけ、初日には上空を報道用のヘリコプターが旋回。盛り上がりを伝えようとした。各テレビ局も大物キャスターが安芸にやってきて、とにかく大騒ぎ。そんなさなかに起きた「緊急事態」。まあ、こんな楽しく笑える「緊急事態」なら…。

 ちなみにホンモノのサッチーは都内で節分の豆まきに参加。来るはずはなかった。

★この時期絶頂期

 振り返ってみれば、この時期が「阪神・野村監督」の絶頂期だったかも。風邪をひいて休んだ同じ日に西武のルーキーだった松坂大輔も風邪で別メニュー。これを知って「英雄は風邪をひくんや」と迷言。球場全体のファンから大拍手を受けると「米国大統領になった気分やな」。超ご機嫌の日々で、まさか、その年から3年連続最下位監督になるとは夢にも思わなかっただろう。

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