「父は殴る蹴る、母はスピリチュアル」壮絶な家庭環境を生き抜いた元鈴木さんが、それでも「母」になるまで
ADHDに算数障害(数字、計算に困難を抱える学習障害)、双極性障害といった、生きづらさを抱えていた私。そんな私が2025年の夏、母になった。 【画像】今回インタビューした元鈴木さん 生きづらさはあるけれど、夫や行政の助けを借りて明るく育児をできている。この連載では私のように、生きづらさを抱えたまま母になった人にインタビューしている。 今回インタビューしたのは、大きなポケットが付いたワンピースや体のラインを綺麗に見せるコルセットなど、女性の悩みを解決するアパレルとコルセットをECサイト『Pinup Closet』で展開する株式会社Alyoの取締役社長・元鈴木さんこと大橋茉莉花さん(38歳・@Motosuzukisan)。 元鈴木さんはADHDと虐待サバイバーという二重の生きづらさを抱えている。どんな思いで母になり、生きづらさと付き合っているのか、話を聞いた。
虐待のデパートの父とスピリチュアル依存の母
――元鈴木さんは虐待サバイバーとのことですが、どんな家庭で育ったのですか? 元鈴木さん:うちの家族は誰も保護者としての責任を負っていない、自分が一番可愛い人たちの集まりでした。父からは殴られたり蹴られたりしていましたし、その様子を見て母が私を守ってくれることもありませんでした。 特に父は支配欲の強い虐待のデパートのような超モラハラ野郎。例えば私が「英語を勉強したいので英語のクラスのある高校に行きたい」と言うと「女は勉強なんてするな。保母さんにでもなれ」と言われました。当時はすでに、“保母さん”ではなく“保育士”という呼称に切り替わっていたので不適切ですし、「少子化ですけど?」と言うと殴られてしまいました。 ――お父さんに言い返していたのですね。 元鈴木さん:母親はまったく言い返さないのですが、私は言い返していたので殴られましたね。たぶん父親は自信がなかったのだと思います。だから、コントロールしやすい女を伴侶に選んでいたのかなと。でも私は、申し訳ないけど母のようにはなりたくないので反抗させていただきます、と(笑)。 ――お母さんはどんな方ですか? 元鈴木さん:スピリチュアルに走ることで現実逃避していました。母に関してはとっておきのエピソードがありまして……。夫が婚約の挨拶をしに私の実家に来てみんなで食事をし、つつがなく終わったかなと思ったとき、母が水を出してきたんです。そして「これは増える水です」と。 母はこう続けました。「北極の氷が溶けて大変な状態です。クジラが苦しいと言っています。これはそのクジラから託された水です。なるべく多くの人にこの水を飲ませなさいと言っています。クリスタルガイザーでも水道水でもこの水を一滴でも入れれば増えます」と。つい「あんたさ! 私のこと嫌いだよね!?」と言っちゃいました(笑)。