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zakkisou
[詩] あとは愛情の話
世界を敵にまわしても
僕は 君を守りたいんだ
なんて、
使い勝手のない科白
それでも
いつか、この喉の奥
震わせることも あるかもしれない
それは
愛情の話
いつも
愛情の話
この肺奥には
捉えられない 感情で
7月は
慈しみ深い
アウトレットパーク
野外駐車場
今の今まで
晴れていた空
急に曇って
大粒の雨
僕らは
ベンチシートの
車の中で
たわいもない
話をする
それは
何の話だったか
君に聞いても
きっと
振り子運動する視界
小刻みに
霧
切り
刻まれて
世界中の誰よりも
君を想っているのは 僕なのに
伝えたいこと
右ポケットの奥の方
助手席からは視えない位置で
だから
愛情の話
あとは
愛情の話
を
君に
きちんと
伝
え
られたのだろうか
きちんと
守れ
ているのだろうか



「使い勝手のない科白」という一行に、はっとしました。世界を守りたいという言葉が大きければ大きいほど、それを口にすることのできなさが静かに滲んでくる。その矛盾を、こんなふうに自分に向けて呟けてしまうところに、この詩の誠実さを感じます。 七月の雨、アウトレットパークの駐車場、ベンチ…
とても深く読み込んでいただき、ありがとうございます。 "たわいもない話"も漢字で書くと"他愛もない話"で、愛が含まれている。 けれど、使い勝手のない科白は、いつまでも言葉に出来ず、助手席からは見えない「右ポケットの奥」に忍ばせている。 そんな狂気のような切実さも、雨の音の中にそっと…