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昼寝をする人は「脳が大きく老化が6年遅い」驚きの事実…記憶力や認知機能を高める「理想的な昼寝の時間」とは?

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何もしない時間 脳の隠れた機能を最大限生かす
30分程度の昼寝であれば、脳の力がすぐに活性化して頭が冴えわたります(写真:Fast&Slow/PIXTA)

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日中の「昼寝」をする人はそうでない人よりも脳のサイズが大きく、それにより老化を6年ほど遅らせることができる――。そんな驚きの最新研究が明らかになったそうです。
神経科学者ジョセフ・ジェベリ氏の『何もしない時間 脳の隠れた機能を最大限生かす』から一部抜粋・再構成のうえ、科学的に正しい仮眠のルールと、過酷な現代社会から大切な脳を守るアプローチを解説します。

「昼寝をする人」は脳の老化が6年遅い

2023年夏、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの遺伝疫学者ヴィクトリア・ガーフィールド博士は、昼寝をする人は、1日じゅう活動している人よりも文字どおり脳が大きいことを発見した。さらに驚くべきことに、これによって老化を6年ほど遅らせることができるという。

「昼寝がどれほど大切か、まだ理解は広まっていません」

自身の発見が話題になった直後に、ヴィクトリアはそう語った。

「生産性を上げるために、1日じゅうずっと働く必要はありません。4時間デスクに向かって、ひと区切りついたら昼寝をする。それが最も効果的なんです」

子どものころは昼寝が欠かせないが、年を重ねるにつれて徐々に機会は減る。ふたたび昼寝をするようになるのは退職後で、65歳以上の人の27%が日中に仮眠をとると答えている。

だが、なかには遺伝子に昼寝が組みこまれている人もいる。

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これまでの研究で、多少とも昼寝をする傾向を持つ97のDNA断片が特定されており、ヴィクトリアもその事実に基づいて研究を進めた。そして3万5000人を対象に97の断片を調べ、「遺伝的に昼寝をする人」と「遺伝的に昼寝をしない人」を比較した。

その結果、昼寝をする人の脳のほうが15立方センチメートル大きくなっていた。これは小さなプラム1個分ほどの体積だ。

考えてみてほしい。そこに何百万もの脳細胞や神経接続が詰まっているのだ。

認知機能や脳の健康に対する影響は、人生を変えるほどだろう。

脳を活性化させる「30分以内」の仮眠ルール

とはいえ、遺伝的に昼寝をしない人が習慣を変えられないわけではない。

誰でも新たな運動の日課や食習慣を採り入れられるように、遺伝的に昼寝をしない人でも日常生活で昼寝を始め、同じように脳の健康効果を得られる。

私たちは習慣やライフスタイルで何を選ぶかによって、思っているよりも簡単に遺伝的な傾向を変えることができるのだ。

では、どれくらい昼寝をすればよくて、どれくらいだと寝すぎになるのか?

ヴィクトリアの研究によると、最も効果的な昼寝は30分以内とされている。それ以上長いと、頭がぼんやりして、一時的に思考力が低下することもある(長い目で見れば、長時間の昼寝は脳の機能改善に役立つ可能性がある)。

一方で30分程度であれば、脳の力がすぐに活性化して頭が冴えわたる。

ただし、その効果は長続きしない。だからつねに頭をすっきりさせておくには、毎日短時間の昼寝を心がけよう。

仕事のある日に30分の昼寝をするにはどうすればいいのか、ヴィクトリアに尋ねてみると、シンプルな答えが返ってきた。

「仕事を半分終えたところで、昼寝をするのが理想的です。昼休みに寝ることから始めて、いつかその習慣が社会に根づくまで続けてください」

個人的には、昼休みには昼寝をしたくない。せっかくの貴重な休憩時間を奪われるような気がするからだ。だったら、昼寝のために新たに30分の休憩を設けるのはどうか。そう提案すると、ヴィクトリアはにやりとした。

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「いいですね。企業の社長たちが賛成してくれたらすばらしいと思います」

「説得できますか?」。私は尋ねた。

「この研究結果を示せば納得してもらえるのでは?」

「難しいでしょう」。ヴィクトリアは認めた。

「それには時間がかかります」

昼寝が脳を保護する「3つのアプローチ」

でも時間がない、と私は考えた。睡眠不足に関するあらゆる統計の厳しい数値が頭をよぎる。私は自分の父が過労で燃え尽き症候群となったこと、母は現在もそれ以上に働き、いつ倒れてもおかしくない状態であることを打ち明けた。

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「私も親友のことが心配でたまらなくて」とヴィクトリア。

「いまの社会は悲惨な状況です。ひたすら働いて、トップにのぼり詰めて、成功して、大金を手にする……、そういう人が褒め称えられています。でも、そこにたどり着くまでに何をしてきたのか、考えてみてください。友人を失い、家族を失い、他人の気持ちを踏みにじって……、その結果、身体を壊して、脳の老化がどんどん進んでしまった」

ヴィクトリアの考えによると、昼寝は3つの基本的な方法で脳を保護する。

まずは、脳内のコルチゾール値を下げることでストレスが軽減される。

次に、損傷を受けた脳細胞の再生を促す。

そして「まだよくわかっていない」新たな種類の思考を引き出す。

これについては解明が待たれるところだ。

現段階で、昼寝が記憶力、創造性、認知機能を高めることはわかっているが、それ以外にも脳の機能に対する効果が隠されているかもしれない。

「あなたは昼寝をしますか?」と私は尋ねてみた。

ヴィクトリアがみずからの発見を実践しているのかどうかを知りたかった。

「以前はまったくしなかったんです」

彼女はそう言って、かつてはもっぱら運動がリラックス方法だったと教えてくれた。そして自分の遺伝子はわからないものの、いまでは毎日、昼寝をするようにしているそうだ。

「今日は泳ぎに行く前に寝てみようと思います。泳ぐ前と後とでは、どちらが効果的か試してみたくて。ほかにもいろいろやってみるつもりです」

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