【短編小説】稲妻の騎士──サンダー・ブレードはどこだ
新貝(しんがい)はソードから稲妻や焔を繰り出すことのできる騎士である。新貝は、荒野の彼方で、「えい!えい!やー!」と剣道の如く修練を怠らなかった。彼は、「修練こそ美徳なり」という格言を大事にしていた。彼は、他者との関わりを捨てていたが、サンダー・ブレードを欲していた。もしかしたら他者がそのソードを持っているのかもしれない。であるならば、他者と関わるという覚悟がなければならない。他者と関わる暇があれば、修練を積め、という格言も大事にしていた。しかし、彼は、荒野を降りる覚悟をするのである。糸井は、新貝の動向を遠くからうかがっていた。「彼は、サンダー・ブレード」が欲しいということさえも知っていた。糸井は、サンダー・ブレードはどこにあるか、という問いを持った。そんなに希少価値のあるソードなのか、彼がそれを欲しがる理由は何なのか、といった疑問を背負って、村長の星見にそのソードのことを問い質そうと考えたのであった。
村長は、「その剣は、竜を呼ぶ剣じゃ」と語り口を見せた。糸井は、「竜など存在するのですか」と訊ねた。星見は、竜の創った剣がサンダー・ブレードじゃ、と話した。糸井は、「サンダー・ブレードは竜が創った……ということは竜は存在していた……」と言った。そこで星見の家の部屋をノックする音が聴こえた。新貝が荒野を降りてきたことを、静かに、しかし強かな感情を掻き立てる音だった。コンコン、と何度も音が聴こえた。星見は、きっと攻撃してくるわけではあるまい、と思惟した。しかし、サンダー・ブレードは、竜のもとにあることを告げねばならない予感がした。


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