小雨の日々──太陽は昇らないのか
ここは、小雨が毎日降る、いたってふつうの街だ。こんなふつうの街なのに、毎日小雨が降るということにおいては、尋常ではなかった。さらに言えば、大雨になることもしばしばあった。未来(みく)という男子生徒は、火事になったら雨が降ればいいのにね、ぐらいに考えていて、雨が降ることは嫌いではなかったという。友人の透子(とおこ)は、雨が降り続くこの街に太陽というものを見ることはできないのか、と思い、天体望遠鏡を手に入れたいと夢見心地であった。未来は、天体望遠鏡は僕と透子で金を出し合えば、購入できるのではないか、と思惟していたが、如何せん、天体望遠鏡を置くための場所が見つからなかった。透子は、協力してくれそうな未来の優しさに薄々気付いていた。三瓶という少し小太りの男子生徒は、ぼくも天体望遠鏡に出費したい、と二人に話していた。未来と透子は三瓶の思いやりに感動した。三瓶の両親は医者であって、給料を三瓶に数百万円も与えていたと三瓶は明かした。三瓶は、天体望遠鏡は、近所の公園の真ん中に設置しよう、と明るかった。
三瓶は、貰ったお金の9割以上を払って、新品の天体望遠鏡を購入した。いつかこういう出費がしたかったんだ、とお金持ちならではの発言が出た。
さあ、太陽は見えるかな、と三瓶は透子に聞こえるように優しく言った。透子は、天体望遠鏡を覗くと、火星と木星が見えた。それだけではなかった、火星にも木星にも雨が降っている光景が見えた。この日本大陸だけが雨が降っているわけではないことに透子は気付いた。三瓶は、愕いたが、「太陽は見えますか」と訊いた。二分間だろうか、透子は太陽を捜したが、見当たらなかった。太陽は存在しない、と誰かが言っていたのを思い出した。火星に誰かが住んでいると予感した。そして、驚愕にも、火星は巨大な雨男に雨を量産されているように見受けられた。日本大陸も


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