千五百九十三話 穢れ、消すようなことではない
「ふむ、なるほどな」
アラッドたちから若いアマゾネスたちが時おり朝から疲れを見せる要因に関する話を聞き、レニスは納得した表情を浮かべていた。
ダガス集落だけではなく、他のアマゾネスの集落にもインキュバスに惑わされるのは恥という教訓、教えはあるものの……実際に集落そのものが狙われるケースはそこまで多くない。
何故なら……大前提として、インキュバスというモンスターの数がそこまで多くない。
そのため、集落に代々続くそういった教訓はあれど、実際に襲われた経験がないため、族長や大人たちでも忘れがちとなっていた。
「となると、アラッドたちの話に照らし合わせれば、インキュバスがオークかゴブリンと組んでいる可能性が高いということか」
「なので、早い内に巣が発見出来れば潰した方が良いかと」
「そうだな…………だが、念には念を、だ。もう少し確証を得よう」
「確証を得る、ですか」
「ふっふっふ、そうだ」
要因はインキュバス。
その確証を得るためにレニスが考えた方法とは……もう数回、アラッドたちと寝るということ。
「「「「「「「「「「ーーーーーーーっっ!!!!!」」」」」」」」」」
この話を聞いた若いアマゾネスたちは、一瞬にしてスーパーハイテンションへと至った。
そして、最初からそれをするという話が確定しているため、二人の料理には精力が満点となり、モリモリ高まる秘蔵の料理が提供された。
「……スティーム」
「何かな、アラッド」
料理を食べ終え、時間までまだ子供と言える幼いアマゾネスたちに軽く稽古をつけた後、二人は大きなベットがある客間へと案内されていた。
「あぁいう料理を食べると、本当にこういう感覚になるんだな」
「そうだねぇ……後、単純に料理担当をしている人の料理スキルのレベルが高いっていうのもあるんじゃないかな」
「……そうだな。それもあるな」
感覚、見た目としては酒場で提供される料理に似ている。
しかし、味に関してはアマゾネスの料理人たちが作る料理の方が数段上であった。
「確かに美味かった……ただ、熱いな」
「うん、熱いね」
暑い、ではない……二人は、体の中がこの上なく熱くなっていた。
「待たせたな!!!」
気合の入った声で扉を開けたレニス。
そして、その後ろには既に素っ裸となっている若いアマゾネスたちが……まだまだその気たっぷりな大人のアマゾネスたちがいた。
「さぁ、存分にやろうか」
そこから先に言葉はいらず、文字通り彼らは存分にやりあった。
もう無理だろう……そう思ったタイミングからまだまだ湧き上がる、というのを二度三度……結果的に六度ほど繰り返し、ようやく大乱闘スマッ〇セッ〇スが終了した。
「確定、と思って良いんですかね」
翌朝。
先日と同じく朝早くに目覚めたアラッドとレニスが朝焼けを前に語っていた。
「あぁ、そうだな。後であの子たちも訊かなければならないが、おそらく確定と言って良いだろう」
数十人を越える若いアマゾネスたちがあの部屋にいたが、アラッドたちは一度も乱入者らしき人物の気配を感じなかった。
「しかし、わざわざ手頃な数人だけを狙って吸い続けていたとなると、他種族のモンスターと手を組んでいるという線も濃厚になってくるな」
「……手を組んだモンスターに対し、インキュバスは何を対価として渡していたんでしょうね」
「オークやゴブリンであれば、娘たちから手に入れた精気の一部を譲渡し、成長させていたのかもしれないな」
「精気を渡して……他のモンスターならともかく、ゴブリンやオークならあり得る、か」
レニスとしては半分冗談で口にしたことだが、錬金術に精通しているアラッドにとって全然あり得る流れだった。
「そう考えると、本当に利害の一致に……目的がそれなら…………」
「アラッド。考え込むのも良いが、隣にいる私に教えてくれても良いんじゃないか?」
「っと、すいません。もし、インキュバスの目的がこの集落を自分の配下に置くのが目的なら、その時の戦力としてオークやゴブリンが約に立つかと思って」
「なるほどな。上位種……上位種の中でも更に上の存在やキング種でも現れれば、並みの集落では潰されてもおかしくないな」
冒険者活動をしていたレニスは今更たかがゴブリン、たかがオークと彼らを侮るつもりはない。
「あくまで可能性の話なので、確信に変える必要はありますが」
「……若い子たちと共に任せても良いか?」
「えぇ、勿論ですよ」
「ふふ、そうか…………それで、もう一戦、どうだ?」
「へっ」
「安心しろ。まだ秘薬の効果は続いている。鑑定で視た時に確認しただろう」
「そ、それは、まぁ」
鑑定した通りの情報であれば、避妊の効果はまだまだ続いている。
昨夜もやりにやったが、朝から弾けても何も問題はなかった。
「年を取った時、あの時は楽しかったなと、そう言って語れる思い出をつくるだけだ……過去の、大事な思い出を消すようなことではない」
「っっ……俺、そういう事を語りましたか」
「あまり似合わないとは思っているが、あれだ。女の勘というやつだ」
「…………敵いませんね」
そこまで言われて、それでも大丈夫だと見透かされて断るのは、あまりにも自分の中の男が小さく思える。
アラッドは苦笑いを浮かべながら、族長の家へと向かい、二度目の朝がくるまで弾けるのだった。
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