政務活動費(政活費)を使って開催した会合の様子を撮影した動画を議員が後日、ユーチューブで発信した場合に得た収益は自治体に「返納」すべきか―。こんな騒動が東京都議会で持ち上がっている。政活費は地方自治法に基づき支給され、具体的な使途については各自治体の条例で定められている。政治活動に動画プラットフォームやSNSを活用するケースが増えるなか、専門家は「新しい問題提起だ」と指摘する。
「会派活動の事業利用」なのか
昨年10月、東京都の佐藤沙織里都議(千代田区選出)は都政報告会を同区内で開催し、その様子を後日、自身のユーチューブチャンネルで公開した。当日の参加費は無料で、約400人が集まった。会場使用料には政活費を充てる方針を都議会局に伝え、話はついていた。だが、報告会の動画発信後に議会局から「(ユーチューブを運営する)グーグルから一定の収益が入ったのではないか」と声が上がった。
都議会の各会派には、都議1人につき月額50万円の政活費が支出される。都政に関する調査研究や政策立案、広報・広聴、政策推進といった活動に伴う必要経費として交付され、政党活動や選挙活動、後援会活動、私的経費には使えない。
政活費の使途が適正か判断する都議会の第三者機関「政務活動費調査等協議会」は今年6月下旬、佐藤都議が動画を流し収益を得たことについて「税金を充てた会派の活動(報告会)を個人的な事業活動の動画に利用したもので、政活費の目的から逸脱しているのではとの疑念を招きかねない」と指摘した。
そのうえで「収益相当分を都議会の会派に還元し、毎月交付される政活費からその分を控除する」か「そもそも収益化はすべきではない」との意見をまとめ、議会局を通じて佐藤都議に伝えた。