インド警察阻止に催涙ガス使用 「ゴキブリ運動」支持者議会へ行進
ニューデリー、インド、7月21日 (AP) ー インド警察は20日、教育相の辞任を求めて議会へ向けて行進しようとした若者主導の「ゴキブリ運動」支持者らを阻止するため、催涙ガスや警棒を使用した。一方、政府側は同運動の指導者に対し、初となる対話の姿勢を見せた。 数千人のデモ隊が中央ニューデリーにある抗議現場周辺の警備用バリケードを破ろうとしたことを受けて、警察による強制排除が行われた。モディ政権に対する同運動の抗議活動で、最も激しい衝突の一つとなった。取り締まりにもかかわらず、多くの抗議参加者は小規模なグループに分かれ、議会への行進を続けた。 「ゴキブリ人民党」広報担当者は、当局が「平和的な抗議者」に対して「残虐な取り締まり」を行っていると非難。デモが行われた20日から始まった夏季国会期間中、議会周辺の治安と秩序を維持するために制限措置が必要であったとし、デモ行進の許可は出していなかったとデモ担当のデリー警察は述べている。 議会からわずか数キロ離れた抗議活動の指定場所であるジャンタル・マンタルに集まった群衆には、学生、社会人、幼い子供連れの家族などが含まれていた。時間が経つにつれ、集会は抗議サイトの枠を超えて溢れ出し、デモ隊は周辺の街路や道路を埋め尽くした。 多くの人々は長期戦を予想し、水や食料を入れたバックパックを背負っていた。他の参加者はインドの国旗を振り、膨れ上がる群衆の中から教育相やモディ首相に対するシュプレヒコールが巻き起こった。 今年5月、最高裁判所長官が無関係の公判中に一部の無職の若者を「ゴキブリ」に例えたことをきっかけに誕生した。支持者らはこの発言を逆手に取り、SNS上で数百万人ものフォロワーを集める風刺運動へと発展させた。 この運動は、医科大学や公務員試験といった重要度の高い採用・入学試験での問題漏洩が相次ぎ、市民の怒りが爆発したことで急速に勢いを増した。さらに18日、ハンガーストライキを行っていた活動家のソナム・ワンチュク氏を警察が病院へ強制搬送したことで、より広範な注目を集めることとなった。 自らを「ゴキブリ」と呼ぶ抗議者たちは、過去1カ月間にわたりジャンタル・マンタルに寝泊まりしており、いくつかの学生団体のメンバーもワンチュク氏のハンガーストライキに参加している。また、他の都市の大学や集会でも数千人の支持者が参加した。彼らはダルメンドラ・プラダン教育相の即時辞任、試験制度の改革、そして問題漏洩後に自殺した学生遺族への補償を求めている。 モディ政権の幹部らはこれまで、この運動に対して強硬な姿勢をとってきた。プラダン教育相は抗議者らを「国家に反する行為をしている」と批判し、他の大臣らも学生の懸念には理解を示しつつも、運動側との話し合いや交渉の必要はないと主張していた。 しかし、20日に同運動の代表者がJ・P・ナッダ保健相と会談したことで、その姿勢に変化が見られた。これは政府から抗議活動の指導者層への初の公式なアプローチとみられる。指導者らは自分たちの要求を議員らに直接伝えようとしており、これを受けて当局は議会周辺の警備を強化した。 ナッダ保健相と会談したCJP広報担当は、教育相の即時辞任または解任を含む要求書を提出したと語った。 これとは別に、活動家のワンチュク氏は病院を一時的に離れ、行進に参加できるよう申し入れを行った。 また、手書きの書簡の中でワンチュク氏は、政府が教育制度の破綻と試験問題の漏洩について責任を認めるか、あるいは抗議者が議会に到達することを許可され、議員らが両院でこの問題を提起すると約束した場合にのみ、約3週間にわたるハンガーストライキを終了すると述べた。 この抗議活動は、3期目を迎えたモディ首相率いるヒンドゥーナショナリズム政権に対する珍しい異議申し立てとなっており、野党、人権活動家、さらには一部のボリウッドセレブからの支持も集めている。抗議者らは、活動家を投獄、場合によっては強力な警察の取り締まりを行うなど異議申し立てを抑圧してきたモディ政権下において、批判の声を上げるスペースが狭まっていると主張する。 多くの人々にとって、このキャンペーンは政府の責任を追及するより広い抗議運動へと拡大している。選出された指導者たちの透明性や対応力の欠如に対する不満が動機になっていると語る者もいた。 (日本語翻訳・編集 アフロ)