七輪(しちりん)

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七輪を鍛造炉として使って刃物
が作れるのか。
答えは、作れる。
ただし、炭は小さ目に親指の先
ほどの長さに「炭切り」したほ
うが熱にムラが無くて良い。
突っ込み加熱方式は刃先が溶け
やすいので注意を要する。
平坦に刀身を沈める形の炉のほ
うが均等に焼ける。

七輪は「しちりん」が正しい日
本語の発音だが、東京人の中で
も旧江戸区域育ちの人間は「し」
と発音できずに「ひ」となる。
七輪は「ひちりん」であり、七
人は「ひちにん」と発音する。
昔、歌手で「七人」をひちにん
と発音していた女性がいたが、
旧江戸エリア生まれ育ちの人
なのだろう。
新納鶴千代(にいろつるちよ)を
読み間違えて「しんのうつるち
よ」とレコーディングしてしま
った村田先生とは別なパターン。
歌詞読みで方言そのままで録音
してしまったパターンが「七人
⇒ひちにん」だっただろう。
江戸者は「し」と「ひ」が相互
逆転する特徴がある。日比谷公
園は渋谷公園になってしまうし、
朝日新聞はあさししんぶんだ。
だが、「し」が「ひ」に転ずる
事もある。
厳密には江戸東京人の「し」の
発音は「し」ではなく、英語
の sea のようなスィの発音に
近い。広島を「しろしま」と
呼ぶのではなく「スィ(短く)ロ
シマ」と発音する。
なお、東京都中央区月島は江
戸時代には存在しなかったの
で(明治以降の埋め立て地)、
月島住人は江戸弁は話さない。
新橋や芝、下谷や上野あたりに
昔から住んでいる人たちはバリ
バリのもろ江戸弁だ。
意外とエンコ=浅草の人たちは
外来観光客が多いからか、江戸
弁訛りは強くないし、今では伝
法な語り口も少ない。
「ってやんでぃ、べらぼーめ」
などというのは本物の死語であ
る。

数年前、刀工小林康宏工房で
合宿している時、朝食の話で
「朝ごはん何にする?」と話
す康宏師との会話の中で、「先
生と岡安さんは、あさししん
ぶんだからなぁ」と言ったら
「しどいよね。しとを馬鹿に
してるってのはこの事だよね」
とか言ってた(笑
それそれ。それだすよ、と(笑
いや、正調江戸弁、懐かしく
も心地良し。
フランス人がHを発音できない
のと同じだからいーじゃん。
あたしゃ正しく広島をヒロシ
マと言えますよ。どうだっ。
江戸弁で訛ったためしが俺に
はねぇよ。
誰だよ。「しだりしたしねり」
とか後ろで言ってクスクス笑
ってたのは。
それは空耳だっつーの。