現場から

第4回トンネル工事で枯れた水 リニアが問われる環境への責任と期待の両立

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大和田武士 工藤隆治 志村亮
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Aストーリーズ リニアのゆくえ 静岡工区着工(4)

 列島をダブル台風が襲った6月下旬。岐阜県東部の瑞浪市大湫(おおくて)町にある「天王様の井戸」は、大雨の2日後なのに、底が干上がったままだった。

 「何百年も水が枯れたことがなかったのに……。水の通り道が変わってしまった」

 地元で生まれ育った元コメ農家の長谷川達二さん(81)は憤った。

 異変が起きたのは2024年2月のこと。5カ所ある共同水源の一つが枯渇し、周囲の井戸やため池も次々と枯れていった。天王様の井戸の水がなくなったのもその頃だ。

 原因とみられているのが、地下150メートルで進むリニア中央新幹線のトンネル工事だった。

 集落から数百メートル西まで掘り進めたところ、毎秒約20リットルの水がトンネル内に湧き出した。JR東海は後に県に提出した報告書で「トンネル掘削により盆地内の地下水を引き込むこととなった」と推定した。

 JR東海は住民への説明に回り、代替の水源を確保するなどの対応に追われた。ただその間も「地盤が安定するところまで」とトンネルを掘り続け、県や市の中止要請を受けてようやく工事を止めたのは、水が出てから3カ月後だった。

 地下水位が下がった影響で、一帯では地盤沈下が進む。15センチ沈んだ地点もあり、JR東海は最大24センチの沈下が数年単位で続くと見込む。

 長谷川さんは「トンネルを掘るなとは言わない。元通りにしてほしいだけ。そうじゃないと安心できない」と話す。

 だがJR東海の丹羽俊介社長は7月15日の記者会見で、この地下水位低下の回復方法について「有効な手段は見つかっていない」と述べ、元通りにはできないことを認めている。

 工事と環境をめぐる問題は、水だけではない。

 東京側の始発駅となる品川駅

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この記事を書いた人
大和田武士
経済部|名古屋担当部長
専門・関心分野
民間企業、建設、交通
工藤隆治
名古屋報道センター
専門・関心分野
運輸・交通、防災、地域課題

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