Valveの技術者が、メモリの供給不足と価格高騰はなお悪化しており、店頭価格は大口調達価格の動きから少なくとも3〜6か月遅れていることを明らかにしました。
店頭のメモリ価格は卸値の後追い。確定済みの値上がり分がまだ反映されていない
Bloombergが2026年7月17日に公開したSteam Machineの開発経緯を扱うインタビューの中で、Valveのエンジニアを務めるYazan Aldehayyat氏は、メモリ市況について「正直、まだ悪化している」と述べています。
さらに同氏によると、店頭に並んでいるメモリの価格は、Valveが大口調達の現場で観測している価格の動きから少なくとも3〜6か月遅れているとのことです。
そのため、これから店頭で起きる値上がりは新たな高騰ではなく、すでに確定している卸値の上昇分が順次反映されるものであり、今後半年間の店頭価格上昇はほぼ既定路線とみられます。
実際、国内におけるDDR5 32GB(16GB×2)の店頭価格は、2026年7月19日時点で中央値が79,980円となっています。過去90日間は79,000〜80,000円台で高止まりしたまま横ばいで推移してきましたが、直近1か月では2.75%高とわずかに上向き始めており、遅れていた卸値の上昇分が店頭価格に反映され始めている可能性があります。
Steam Machineの生産はメモリ容量がボトルネック
メモリの調達環境の悪化はValve自身の製品も直撃しており、Steam Machineについて同社エンジニアのPierre-Loup Griffais氏は「基本的に作れるものはすべて作っている」としつつ、生産台数がメモリ供給量によって明確に制限されていることを認めています。
Valveへの影響は、2026年4月末に判明した社内価格目標の大幅な上振れに始まり、6月には価格を750ドルから1,049ドル(国内18万9980円)へ引き上げ、そして今回の生産数量の制約へと段階的に深まっており、値上げだけではコスト増を吸収しきれない水準に達しているとみられます。
ただ、Griffais氏はメモリ危機によってSteam Machineの今後の計画が変わることはないとしており、「ユーザーには製品が届いており、ここから何年も取り組みを続けていく」とのことです。
この先の見通しについても、Jefferiesが2027年まで年40〜45%の上昇継続を予測しているほか、AMDもDDR5価格の正常化は2028年頃と見込んでおり、実際にメモリを調達する当事者と金融業界の見方は「当面は安くならない」という点で一致しています。
店頭価格には、これから確定済みの卸値上昇分が乗ってくるため、待つほど支払額が増える可能性が大きく、メモリの購入予定があるなら現在の価格のうちに済ませておくのが得策です。