ヨーロッパで国境という概念が生まれて近代が始まるまで、世界中が同心円の世界観を持っていましたよ。中国が前近代時代の世界観を華夷秩序と名づけただけで、似たような世界観は中世のヨーロッパでも、アラブやインドの帝国でも持っていたんです。日本も同じですよ。天皇が世界の中心だったんです。
日本人は「華夷秩序」という中国のコスモロジーを理解しないと始まらないと思います。本来中国には「国境」という近代的な概念はないんです。中華皇帝が世界の中心にいて、そこから「王化の光」が同心円的に広がる。中心から遠ざかるにつれて暗くなり「化外の民」が蟠踞する辺境になる。