夫が入院した日

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いよいよ、夫のリンパ腫ステージ4の抗がん剤治療が始まる日、私はやっぱり朝は家事や庭の植物の水やりや手入れで忙しく、母の細かい注意や約束などで気がついたら出社時間を少し過ぎていましたガーン

今日から夫はいないのに、「しっかりしなきゃ」と思っていたのに、もっと早く起きないと駄目だなぁと反省しながら駐車場に着くと、夫の車がありました。

やっぱり会社が心配なんだろうね

「時間はいいの?本当に私は行かなくていいの?」

「うん。長男にお願いしてある。仕事を頼む」

「ごめんね、朝は時間が無くって遅れちゃったよ。でも、会社は私が守るから、必ずここに帰ってきてね」

「うん、また帰ってくる」

別居している私たちは、彼は会社に来たのではない。
会社に来る私に会いに来たのだと思いたい。
ここ(会社)には、ふたりにとってひと言では言い表せないほどの苦労も涙も怒りも幸せあった。

会社に帰ってきてほしいなんておかしいけど、ここは私と夫が過ごす場所で、子どものように大事に育ててきたから、ふたりの人生のほとんどが詰まっています。

「珈琲淹れるね」

私たちは、夫が出る最後まで仕事の打ち合わせをし、涙一つ流さず、「待ってるからね」という私の言葉に夫が頷き病院へと行きました。

もともと広い会社が夫がいないと本当に広くて、喋らない夫なのにもっと静かで、「私ってやっぱり泣くんだ」って、嫌だなあと思って、打ち消すように仕事を始めました。

夫の治療を始めた1日目は、梅雨明けしそうなまだ蒸し暑い暑い日でした。



ヨハネ・パウロ二世




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