ロシアが日本にスパイ拠点、規制回避で兵器向け部品調達か 米紙報道
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は12日、ロシア軍の情報機関が東京を拠点に活動していると報じた。兵器への転用を目的に日本企業の製品や部品を第三国経由でロシアに流入させている疑いがある。統括する人物はロシアの国営航空会社職員を装って活動しているという。
西側情報機関の複数の関係者への取材などを基に報じた。
NYTによると、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の「第20局」の将校が国営航空会社アエロフロートの東京事務所で従業員を装って活動している。アエロフロートの提携企業を窓口に、半導体や工作機械、通信機器などを第三国経由でロシアへ調達している疑いがある。
NYTは日本について「かねて『スパイの楽園』として知られてきた」と指摘した。スパイ活動を取り締まる法整備が十分でないことに加え、先端技術を持つ企業が多いことがロシアによる情報収集や部品調達を容易にしたと伝えた。
日本政府はウクライナ侵略を受け、ロシア向けの先端部品や兵器に転用可能な製品の輸出を規制している。ただ対ロ制裁が迂回されている可能性がある。
ウクライナ政府はロシア製ミサイルやドローン(無人機)の9割に日本製部品が含まれると推計する。2025年4月からの1年間に少なくとも16通の外交書簡を外務省に送り、日本製部品のロシア流入に強い懸念を示していた。
実際に使用された兵器から回収された部品にはNECやパナソニック、東芝などの製品が含まれていたという。各社は規制を順守しているとして不正への関与を否定した。NECは該当する部品は旧型で、近年は販売実績がないとコメントしたという。