第7話

💙 ディズニー
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2026/07/11 16:22 更新
あなた
え、ディズニー…???
大学の講義が終わり、帰ろうとした時だった。
太智
おん、今月までのチケットあるんやけど、一緒に行く人おらんくてさ、笑
そう言って笑うのは太智くん。
あなた
みんなは誘わないの??
太智
誘ったんよ。けど、誰も予定合うやつ居なくて。
太智
嫌なら別にええよ。
そう言われて首を振る。
あなた
いや、行く!!行きます!!
嬉しそうに笑う太智くんを見ていると、なんだかこっちまで嬉しくなった。

その時はまだ、この一日が特別な思い出になるなんて知らなかった。




ディズニーに着いてすぐ、私は思わず声を上げた。
あなた
…かわいい、!!
視線の先には、色とりどりの風船。

空に浮かぶ姿はまるで夢みたいだった。

隣の太智くんが笑う。
太智
風船、好きなん?
あなた
好き!
小さい頃お母さんがよく買ってくれて、笑
あなた
でも、見るだけだから大丈夫!
太智
なんでなん?
あなた
んー…邪魔になっちゃうし、持ち帰るの大変だしさー!
そう答えると、太智くんは ″ふーん ″ とだけ言った。
それからはアトラクションに乗ったり、チュロスを食べたり、写真を撮ったり。

太智くんは終始楽しそうだった。


″ 次あれのろうや! ″

″ こんどはこれ食べたい!!″

″ つかれたなーー!! ″



そう言って太智くんが大好きなディズニーを楽しんでいる姿がとても子供らしくてつい笑ってしまう。

けれど、友達といる時と変わらないはずなのに、今日はなんだか違った。

写真を撮る時に自然と隣に来たり。

人混みで見失いそうになると振り返ってくれたり。

そんな些細なことが妙に嬉しい。


夕方になり、お土産ショップを見ていた時だった。
太智
なぁ、ちょっとまっててや。
突然そう言って太智くんがどこかへ行ってしまう。

理由を聞く前に人混みへ消えていった。



数分後。

戻ってきた太智くんを見て、私は目を丸くした。
あなた
え、?!これ…
その手には大きな風船。

昼間見ていたものと同じだった。
太智
ずっと欲しそうにしてたやん、笑
あなた
見てただけなのに…!!!
太智
だから買ったんよ。
太智
今日来てくれたお礼ってことで、
そう言って風船を差し出してくる。

断ろうと思ったのに、できなかった。

だって嬉しかったから。

私が何気なく見ていただけなのに、覚えていてくれたことが。

閉園時間が近づき、出口へ向かう。

夜風に煽られて風船が大きく揺れた。
あなた
…あっ、
慌てて掴もうとした瞬間。

別の手が同時に伸びる。

太智くんだった。

二人で同じ紐を握る。

思ったより近い距離に心臓が跳ねた。
太智
危ないからちゃんと持っとくんよ、
そう言って顔を上げた太智くんと目が合う。

そのまま数秒。

なぜか視線を逸らせなかった。
太智
…今日、たのしかった?
あなた
もちろんだよ!
即答すると、太智くんは少しだけ安心したように笑った。

そして直ぐに 真剣な眼差しでこちらを見つめる。
太智
今日、この風船買ったのはあなたの下の名前ちゃんが喜ぶ顔みたかったからやで、
夜のパークの音が遠く聞こえる。

胸がぎゅっと締め付けられる。
あなた
……それだけ?
なんとか絞り出した声に、太智くんは困ったように笑った。
太智
じゃないかもな
風船の紐を持つ手が少しだけ重なる。
太智
…次、一緒に来る時は堂々とあなたの下の名前ちゃんの隣歩きたい。
その意味に気づくまで数秒かかった。

そして理解した瞬間、顔が熱くなる。

太智くんは照れ隠しみたいに笑って述べる。
太智
返事は今じゃなくてええから。待ってるで。
でも

重なった手を離したくないと思った時点で、私の答えはもう決まっていた。

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