第5話

🩷 肝試し
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2026/06/07 18:11 更新
″ それじゃあ次、肝試しのペアを決めまーす! ″


合宿先のコテージにいたみんなが一斉に盛り上がる。

夏休みのサークル合宿。昼は川遊びやバーベキューをしていたのに、夜は肝試しをするらしい。

私は思わず肩を落とした。

昔からホラーが苦手なのだ。


怖いの?? なんて隣の友達に笑われる。
あなた
怖いに決まってるじゃん…!!
そう答えた瞬間だった。
勇斗
じゃあ俺と行く?
聞き慣れた声に顔を上げる。

そこには佐野勇斗くんが立っていた。

サークルの人気者で、誰とでも仲良くなれる人。
あなた
…え?
勇斗
怖いならひとりじゃ無理でしょ、男女ペアって決まりもあるし
勇斗
じゃあ決まりな
私が返事をする前に、周りからも

″お似合いじゃん!″

なんて声が飛んできて、気づけばペアが成立していた。





肝試しが始まると、私たちは懐中電灯を持って山道を歩いた。

暗い。

思っていた以上に暗い。

風で木が揺れる音だけでも怖い。
勇斗
近くね?
あなた
近くない。
勇斗
いや、服掴んでるけど、
見れば私は佐野くんの袖をしっかり握っていた。
あなた
… だって怖いんだもん
勇斗
正直だな 、笑
楽しそうに笑う声が少し悔しい。

その時、草むらから音がした。
あなた
きゃっ!!!!
反射的に彼の腕にしがみつく。

木の陰からお化け役の先輩が飛び出してきた。

私は悲鳴を上げて目を閉じる。

すると肩を軽く引き寄せられた。
勇斗
大丈夫だから。
耳元で聞こえた声に、少しだけ安心する。

目を開けると、彼は先輩に ″脅かしすぎですよ″ と笑っていた。

いつも通りのはずなのに、なんだか少しかっこよく見えてしまう。



無事にゴールに着いた頃には、怖さよりも別の意味で胸がうるさかった。
勇斗
おつかれ。
彼は買ってきたジュースを渡してくれた。
あなた
ありがと、
勇斗
結局ずっと俺にくっついてたな、笑
そんなことを言いつつ彼は笑った。
それから急に静かになる。

遠くではみんなが騒いでいるのに、私たちの周りだけ時間がゆっくり流れているみたいだった。
勇斗
俺さ
不意に彼が口を開く。
勇斗
ペア決めの時ちょっと焦ったわ
あなた
焦った…?
勇斗
お前が誰かと組むんじゃないかって
勇斗
誰かと組まれたら嫌だった。
あなた
え、???
勇斗
好きだったんだよ、ずっと。
一瞬、言葉が出なかった。

冗談みたいに聞こえるのに、その目は真剣だった。

夜風が頬を撫でる。

なのに顔が熱い。
あなた
… 私も、
やっとそれだけ言うと、彼は少し目を丸くして、それから嬉しそうに笑った。
勇斗
良かったわ、笑
勇斗
じゃあ次はさ、
勇斗
肝試しじゃなくてちゃんとデートしよう。
その笑顔を見た瞬間、さっきまでの怖さなんて全部消えてしまった。




ありがとうございました!

リクエストあれば受け付けますᴗ ᴗ

次回お楽しみに♩

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