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第1話

❤️ 迷子
1,005
2026/07/11 16:18 更新
遊園地の迷子センターでボランティアをすることになった私。

最初の日。

一緒の担当になったのは曽野舜太くん。
舜太
おっ、担当一緒の子?よろしく〜!
太陽みたいな笑顔。子供たちもすぐに懐いていた。

泣いていた男の子を笑わせたり、迷子の女の子に目線を合わせて話しかけていたり...

子供たちからは
「 舜太お兄さん 」 と呼ばれていた。

それもあって、優しい人なんだろうなと思っていた。

その時までは。



閉園後。
子どたちも帰路に着き、片付けをしている時だった。

高い場所にある荷物を取ろうと一生懸命背伸びをするも届かない。

…すると、後ろから ひょい、と腕が伸びた。
私のすぐ横。彼が荷物を取った。
近くて思わず 固まってしまった。

舜太
取れんかったんやろ?俺の事呼べば良かったやん。
あなた
別に大丈夫だったし…!!
ほんまかいな、と笑われた。
それは昼間の優しいお兄さんそのものだった。



数日後、私たちはまた一緒の担当になり、1人の女の子を預かることになった。その女の子が突然こんなことを聞いてきた。
迷子の女の子
お姉ちゃんとお兄ちゃん、付き合ってるの?
私は驚き、慌てて否定した。なのに彼は平然としている。
舜太
そうやな〜…、どう見える?
迷子の女の子
んー、なかよし!
女の子は悩むまもなく即答した。
彼は満足そうに笑う。わたしは頬が赤くなっているのが分かった。絶対にからかっている。そう思っていた。



帰り道。
あなた
ねぇ、今日のあれ、からかってたでしょ。
舜太
正確に言うと、半分は、やね。
あなた
半分って、どういうこと???
舜太
残り半分は本音ってことやよ。
心臓がとまりそうになる。でも本人は前を向いたままいつもと変わらない様子だった。夕焼けがその横顔を照らしていた。
舜太
…なぁ、
舜太
もし本当に付き合ったらさ、子供たちってすぐ気づきそうやんな。
あなた
…… だれと?
彼の言っていることが本当なのか、冗談なのか分からなくて。やっと絞り出した声で尋ねる。
すると、彼は立ち止まった。
舜太
…ん?
あなた
いや、だから、その…付き合うって
彼は少し驚いたような顔をして ふっ、と笑う。
夕焼けに照らされた横顔が少し大人っぽく見えた。
舜太
ほんまに分かんない?
舜太
おれは、あなたの下の名前ちゃんだったらええなって思ったんよ。
数日後、あの女の子がまた私たちの元へとやってきた。

お姉ちゃん達、やっぱり仲良しだね!

なんて言われれば彼は そうやな。と笑って女の子の頭をそっと撫でた。



やっぱり子供たちは、大人よりもずっと正直なのかもしれない。

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