「示談に組員は当然」だった北九州 工藤会と決別の街、なお残る恐怖
「ようやくここまで来たかと、本当にほっとした」
2014年9月11日、特定危険指定暴力団・工藤会のトップで総裁の野村悟被告(77)=二審で無期懲役、上告中=が逮捕されたときのことを女性はそう振り返る。
トップ逮捕の「頂上作戦」10年、組員の離脱進む
全国唯一の特定危険指定暴力団・工藤会(本拠・北九州市)トップらの逮捕に踏みきった福岡県警の「頂上作戦」から、11日で10年を迎えた。総裁の野村悟被告(77)は二審で無期懲役の判決を受けて上告中だが、その間に資金源が細り、多くの組員が離脱。組織の弱体化が進んでいる。
「工藤会は暴力団なんて生ぬるいものじゃなく、テロ集団。でも当時は十分わかってもらえず、街に温度差があった」
女性は、北九州市小倉北区のクラブ「ぼおるど」=廃業=の元従業員。03年8月、工藤会系組員が、暴力団追放運動の先頭に立っていた男性が営むこの店に手投げ弾を投げ込み、女性を含め多数の従業員らが重軽傷を負った。
事件後も、組員らは夜の街を練り歩いた。女性が近くの店に移った後も、組員は姿を見せ、女性の隣に座ったこともあった。
12年4月、工藤会の捜査を担った元警部が銃撃される事件が起き、警視庁や大阪府警など全国の警察が北九州市に応援を派遣し、取り締まりにあたった。4カ月後、福岡県では「暴力団員立ち入り禁止」を示す標章を掲げる制度が始まり、店に立ち入った暴力団員には中止命令が出されたり罰金が科されたりするようになった。だが、その直後、標章を掲げた飲食店に勤める女性らが顔などを切りつけられたり、店のビルが放火されたりする事件が相次いだ。
女性が勤める店は標章を外し…
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