★(4)彼女を支えた美貌マネの奇策
吉永小百合(73)のテレビドラマ解禁作となったTBSの3時間ドラマ「海は甦える」(1977年8月29日放送)は29・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率をマークした。
しかも、その年の映画テレビプロデューサー協会特別賞を受賞するなど、初の本格的長時間ドラマは大成功だった。
時の総理大臣にも就いた山本権兵衛(仲代達矢)の妻、トキを演じた小百合は遊女からはい上がった寒村出の新潟女を熱演、高い評価を得た。
そしてトキの娘、イネ役で出演したのが、今は大女優に成長した大竹しのぶ(60)である。このころ、小百合のマネジャーだった島田智子さんは、小百合よりひと回り年下の大竹の獲得に奔走していた。
島田さんは大手広告代理店の博報堂の元社員で、テレビCMの仕事を通して小百合と意気投合し、会社を辞めて専属マネジャーに就いた人物だ。
ショートヘアがよく似合う美人で、ギョーカイでは「吉永小百合もいいが、島田さんの魅力で仕事を依頼してしまう」という評判が立つほど美貌で、やり手だった。
「海は甦える」の出演が決まり、小百合から「役作りのため、トキの新潟の生家を訪ねたい」と言われた島田さんは思案したようだった。自分は大竹の獲得に多忙を極め、小百合に同行できない。
だが、生家のある新潟県菱潟村(現新潟市)までという往復の旅を、制作会社のテレビマンユニオンの近藤久也プロデューサー一人に委ねるのはどうしたものか。ダンディーな近藤さんは「プレーボーイ」で通っていたからだ。