最新|セレンと脂っこい食事と血圧:5,643人で見えた逆説の関係
血圧のために気をつけたい食べ物といえば、まず塩分、そして脂っこい食事、と考える方が多いと思います。実際、脂肪の多い食事は血圧を上げやすいと報告されてきました。
ところが2026年に報告された中国の大規模研究では、そこに「セレン」というミネラルが加わると、話が少し変わってくることが示されました。
脂っこい食事による血圧への影響が、セレンをしっかり摂っている人ではほとんど見えなくなっていた、というのです。つまり、脂っこい食事が多い人ほど、セレンの摂り方が効いてくる可能性がある。
今回は、この逆説的な関係を報告した研究を見ていきます。
記事の要点
中国の成人5,643人を追跡した2026年の研究で、脂肪の多い食事は高血圧のリスクを高める一方、その影響がセレンの摂取量によって大きく変わることが示されました。
セレン摂取が少ない人では、脂肪の摂取が増えるほど高血圧のリスクが上がりましたが、セレンを多く摂っている人では、その関連がほとんど見られなくなっていました。
セレンは魚介や卵、ブラジルナッツなどに含まれるミネラルで、脂っこい食事が気になる人ほど、その摂り方に目を向ける意味がありそうです。
そもそも、セレンとはどんなミネラルか
セレンは、体がごく少量だけ必要とする微量ミネラルのひとつです。量としてはわずかですが、体の中では大切なはたらきを担っています。とくに知られているのが、抗酸化に関わる酵素の材料になることです。
セレンは、グルタチオンペルオキシダーゼと呼ばれる抗酸化酵素の一部として組み込まれ、細胞を酸化のダメージから守る反応を支えています。
脂肪の多い食事は、体の中で酸化のストレスを高めやすいと考えられており、セレンの抗酸化のはたらきが、そこに関わってくる可能性が指摘されています。
セレンは、土壌に含まれる量が地域によって大きく異なるため、その土地で採れた作物や、それを食べた動物を通して、人の摂取量にも差が出やすいミネラルです。
日本は比較的セレンを摂りやすい食環境にあるとされますが、食生活の偏りによっては不足することもあります。魚介類や卵、肉、そして海外ではブラジルナッツなどが、セレンを多く含む食品として知られています。
5,643人を追いかけて見えた交互作用
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