17日の参院本会議で、立憲民主党など野党5会派が皇室典範の改正に反対した。衆参13会派の4割近くに当たる会派が異を唱えたことで、反対派は「立法府の総意」は崩壊したと主張する。ただ、衆参両院の議員数に占める反対の割合は1割に満たない。少数会派の声をもとに総意が崩れたとする言説は、実態を反映しない印象論といえる。
割合でみると印象は一変
「全体会議で反対した会派が13分の5。全会派一致では全くない。なぜ立法府の総意と呼ぶのか」
立民の水岡俊一代表は15日の党首討論でこう述べ、皇室典範の改正は立法府の総意に基づかないとの認識を示した。
全会派一致ではないとの水岡氏の指摘は事実だ。17日の参院本会議では立民、共産党、れいわ新選組、沖縄の風、社民党の5会派が改正に反対した。
ただ、全体の議員数に占める割合でみると印象は一変する。参院野党第1会派の立民は40人の所属議員を抱えるが、そのほかは共産7人、れいわ5人、沖縄の風2人、社民2人という少数会派だ。17日の参院本会議の採決で、投票総数に占める反対票は約24%だった。
衆院はさらに顕著だ。10日の衆院本会議で党として反対したのは4人の議員を抱える共産のみで、その割合は1%に満たない。衆院野党第1党の中道改革連合が「苦渋の決断」(小川淳也代表)としながらも賛成に回ったことや、立民が衆院に議席を持たないことなどに起因している。
中道や自民党に数人の退席・欠席者が出たことやチームみらいが自主投票としたこと、会派に所属しない議員の動向などを考慮しても、衆院では97%程度の議員が皇室典範の改正に賛成したとみられる。
9割もの議員が認める改正
衆参両院をあわせると、反対した議員の割合は9%程度にとどまる。9割もの議員が認める皇室典範の改正を「立法府の総意と呼べない」とするのは説得力に欠ける。
「ただ一人の議員が反対をしたから総意ではないといわれたら、ほとんどのことが立ち行かなくなる」
高市早苗首相が15日の党首討論でこう訴えたのに対し、水岡氏は「一人という話ではなく、かなりの方々が反対意見を述べている実態がある」と反論した。ただ、水岡氏のいう「かなりの方々」をはるかにしのぐ賛意が立法府で示された事実にこそ、目を向ける必要がある。(石鍋圭)