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政治

2026.07.18 12:00

トランプ、「中国の選挙干渉」と「ディープステートの隠蔽」主張 中国側は「完全なでっち上げ」と反論

2026年7月16日、米ホワイトハウスのイーストルームで国民に向けて演説するドナルド・トランプ米大統領(Saul Loeb/Pool - Getty Images)

2026年7月16日、米ホワイトハウスのイーストルームで国民に向けて演説するドナルド・トランプ米大統領(Saul Loeb/Pool - Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は米国時間7月16日に行った演説で、「中国が米国の選挙に干渉している」と非難した。この主張に対し、中国当局は17日、「でっち上げ」であり「中傷」だと断じて強く反発した。

トランプの今回の演説を受け、世界の2大経済大国間に芽生えつつあった緊張緩和の兆しが損なわれるのではないかとの懸念が高まっている。

トランプは演説で中国について何を語ったのか?

16日夜の国民向け演説で、トランプは米国の選挙制度の脆弱性に対する不満を改めて表明。中国が2020年米大統領選以降、2億2000万件にのぼる米有権者情報を不正に取得していたことを示す文書を機密解除すると述べた。流出した有権者ファイルには、氏名、住所、その他のデータが含まれていたとしている。

トランプはこの「史上最大規模とされる選挙データの侵害」を、いわゆる「ディープステート(闇の政府)」が隠蔽していたと主張した。ディープステートとは、米国を裏で操っているとされる秘密のネットワークを指す陰謀論の概念で、「MAGA(アメリカを再び偉大に)」派の共和党議員や支持者らが民主党議員や同党を支持する有力者たちを非難する際によく用いる表現だ。

ただ、米上院情報特別委員会の民主党筆頭委員であるマーク・ワーナー上院議員をはじめとする複数の議員は、米有権者ファイルは一般に公開されており、各選挙陣営が購入することも可能だと指摘している。

トランプはまた、自身に対する「米国内における信頼を損なう」ことを狙った戦略を2019年に中国政府が展開したと主張。「彼らはただ、皆さん(米国民)の大統領がそれほど魅力的ではないと思わせたかったのだ。だが実際には、皆さんの大統領はすばらしい仕事をしてきた」と自画自賛した。

中国の反応は

中国外務省の林剣報道官は、17日の定例記者会見でトランプの主張について問われ、「完全にでっち上げであり、かねて根拠がないことが証明されている悪意ある中傷だ」と述べた。

その上で、中国には他国の内政に干渉しないという方針があり、「米国の選挙には何の関心もない」と主張。続けて、どの国が他国の内政に干渉し、外国政府に対して無差別な監視を行ってきたかについては、国際社会が十分に認識していると述べて米国を批判し、「自らの行いを反省」して「根拠のない非難」をやめ、選挙の争点に中国を利用しないよう強く要求した。

同報道官は一方で、中国政府としては米国との対話を歓迎する姿勢に変わりはないことを示唆。「前向きな中米関係を育む」ためにさらなる努力を行うよう米政府に求めた。

在米中国大使館もこれに先立ち「米国に対し、自らの行動を反省し、中国に対する根拠のない中傷をやめ、選挙で中国を争点化することを控え、前向きな中米関係を促進するためにさらなる努力を行うよう求める」との声明を発表していた。

次ページ > 機密解除された文書には「ロシアの選挙干渉」の記載が……

翻訳・編集=荻原藤緒

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経済・社会

2026.07.14 11:45

ぶれないプーチンと習近平、ぶれるトランプ

kardd - stock.adobe.com

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中国軍は6日、模擬弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を原子力潜水艦から発射した。ミサイルは長距離を飛行した後、南太平洋の公海上の海域に着弾した。毛寧外務省報道官は6日、実験は中国軍の年次訓練の一環だとし、「特定の国や目標を対象としたものではない」と説明した。中国による太平洋方面への弾道ミサイル発射としては、2024年9月に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射訓練を44年ぶりに実施して以来、大きな注目を集める動きとなった。

着弾海域は南太平洋とされ、ナウルやツバルなど太平洋島嶼国に近い海域だった可能性が指摘されている。1986年のラロトンガ条約によって設定された南太平洋非核地帯との関係にも懸念が出た。模擬弾頭だったが、「中国は条約批准を約束しているのに、核の脅威をこの地域に与えた」として、オーストラリアや太平洋島嶼国などから反発の声が上がった。6日は豪州とフィジーが相互防衛条約に署名した日でもあり、一部の専門家からは「南太平洋などを威嚇する狙いがあったのではないか」という見方も出ている。

しかし、中国事情に詳しい東京大学大学院の李昊(りこう)准教授は「中国は太平洋島嶼国のことなど、気にかけていないかもしれない」と語る。李氏は「政治的シグナルが全くないとは思わないが、中国の念頭にあるのは米国だろう。あとはせいぜい盧溝橋事件の7月7日を意識したかどうかというところだろう。逆に言えば、中国には自分の行動が相手に脅威を与えるという認識が足りない」と指摘する。中国を過度に買いかぶり、行動を深読みしすぎない方がよいという。

米陸軍戦略大学のゼネル・ガルシア准教授も「必要なのは戦略的な共感だ。中国が自国の政策についてどう考えているのかを理解する能力を持つ必要がある」と語る。そのうえで、「中国の行動の理由を理解できれば、より効果的な政策を設計できるからだ」と話す。

中国は最近も軍幹部の粛清が行われるなど、習近平国家主席の独裁ぶりが際立っている。李氏は「中国の官僚組織は元々、縦割り主義だから、統一的な戦略を生み出しにくい環境にある。しかも、権力集中のために、何でも習氏の同意なしに物事が進まなくなっている。習氏が多忙で時間が取れず、部下たちが習氏に直接報告できる機会すらかなり限られているという。そのうえ、部下たちは粛清が怖くて、習氏になかなか本当のことを伝えられない」と話す。中国にも優秀な戦略家がいたとしても、肝心の指導者にその声が届いていないというわけだ。

次ページ > 「習氏はピュアで使命感が強い」

文=牧野愛博

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2026.05.15 07:00

トランプ個人の対中姿勢が描く米中貿易の激変──大豆・石油・乗用車が語る8年間

Photo by Alex Wong/Getty Images

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トランプ大統領と習近平国家主席が北京で会談中だ。だが、世界2大経済大国間の貿易摩擦は、国家間の構造的・経済合理的な対立というより、トランプ個人の対中姿勢に起因しているように見える。その兆候を探すなら、米国の大豆輸出を見ればよい。あるいは石油。あるいは乗用車だ。

貿易戦争で落ち込む米国の対中輸出

確かに、米国勢調査局の最新データを分析したところ、米国の大豆輸出は2018年第1四半期から2026年にかけて9億8390万ドル(約1555億円。1ドル=158円換算)増加している。

しかし、話はそう単純ではない。

大豆輸出は、収穫期の終盤にあたる2018年第1四半期からは増加しているものの、ジョー・バイデンがホワイトハウスにいた3年前からは44.27%減少している。実際、第1四半期の大豆輸出が最も多かった上位4年間は、いずれもバイデン政権時代だった。バイデンはトランプの関税を引き下げていない。それでもこの結果なのである。

トランプが2018年に中国との間で始めた貿易戦争に巻き込まれた米国の輸出品目の中で、中国向け大豆輸出の減少は大きな注目を集めてきた。その主な理由は、かつて大豆の大半がトランプが最初の選挙で勝利した州から中国に出荷されていたからだ。昨年、米国の中国向け大豆輸出は5カ月連続でゼロとなり、主に中西部の農家に前例のない打撃を与えた。その市場は今やブラジルにほぼ奪われている。

石油輸出が100%減でゼロに転落

しかし、大豆だけではない。今年は石油も「大豆と同じ扱い」を受けている。中国向け第1四半期輸出は100%減、つまりゼロとなり、22億7000万ドル(約3587億円)の減少となった。バイデン政権時代の2023年には、中国は米国の石油輸出先として第1位だった。

乗用車輸出が急減し第8位に転落

乗用車輸出も急減しており、貿易戦争開始前の2018年第1四半期から83.26%減少した。当時、中国はドイツに次ぐ第2位の市場だった。

同様のパターンで、これらの輸出はトランプ第1期の最後の2年間である2019年と2020年に急減した後、バイデン政権時代の2024年まで回復した。その4年間、中国は再びドイツに次ぐ第2位の乗用車輸出市場となった。2025年と2026年には、これらの輸出は再び減少した。今年、中国は第8位で、市場シェアは2.93%。2022年のピーク時の10.35%から低下している。

次ページ > 中国が米国貿易の首位から第3位に転落

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北米

2026.07.17 08:00

トランプの年収、2025年は約3890億円──大統領復帰後に3倍以上急増

ドナルド・トランプ米大統領。2026年6月24日、米ホワイトハウスの大統領執務室にて(Andrew Harnik/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領。2026年6月24日、米ホワイトハウスの大統領執務室にて(Andrew Harnik/Getty Images)

「米国のトップセールスマン」は、人生で最も儲けになる売り込みを成功させ、米大統領に復職した。今、トランプは別のものを売り込んでいる。それは、これほどの大金をどうやって稼ぎ出したのか、自分でも分からないという作り話だ──。

大統領でいることが「最も儲かる興行」、2025年に約3890億円を得る

「私にはちょっとP・T・バーナムめいたところがある」──数十年前に自らを「地上最高のショーマン」と呼ばれた伝説的な興行師になぞらえてこう評したドナルド・トランプは、ついに最も儲かる「興行」を見つけた。「大統領でいること」である。

フォーブスの分析によると、トランプの2025年の年間収入は24億ドル(約3890億円、1ドル=162円換算)に上る。これは、当人の財務開示報告書と債券届出書、証券書類、裁判記録を照合し、ここ数週間広く報じられている「少なくとも22億ドル(約3564億円)」という数字よりも具体的な金額を特定したものだ。この24億ドルは営業収入と資産売却収入の合計であり、トランプの2024年の推定年収7億6000万ドル(約1231億円)をはるかに上回る。また、現行の米大統領の年俸40万ドル(約6480万円)の6000倍に相当する。

政治的立場を利用して利益を追求する行為が好ましくない印象を与えることは、トランプ自身も察しているようだ。最近話題の巨額収入について問われたトランプは「大統領に就任する前から大金を稼いでいた」と答えを濁し、さらに「なぜ私が利益を得ているか分かるか? 株式市場が上昇しているからだ」と付け加えた。

ちょっと違う。

暗号資産で約2268億円増、支持者の多くは投資で壊滅的損失に

24億ドル(約3888億円)という数字には、株式売却益は含まれていない。その大部分は市場に再投資されたようだ。前年比で増加した収入の大半を占める14億ドル(約2268億円)は、暗号資産から得たものである。トランプはかつて暗号資産業界を「実体がない」と批判していたが、その後、何も知らない支持者らに嬉々として売り込んで回り、その多くは投資で壊滅的な損失を被っている

また、これ以外にも大統領はフロリダ州にある私邸兼会員制リゾートのマールアラーゴや、国際的なライセンス事業からも莫大な収入を得ている。

次ページ > 初当選後は収入が停滞、選挙敗北後に事業を再構築して収入が回復

翻訳・編集=荻原藤緒

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